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人口問題・少子化・家族の経済学

1とはずがたり:2006/05/24(水) 08:37:24
深刻な少子高齢化・都市人口の変遷・女性の社会進出を巡る話題など

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http://members.at.infoseek.co.jp/tohazugatali/pop.html

1761とはずがたり:2017/11/03(金) 17:19:30
加谷珪一
経済ニュースの文脈を読む
保育士不足解消に優遇措置を推進 慢性的な人手不足は解消できるのか?
http://www.newsweekjapan.jp/kaya/2017/10/post-40.php
2017年10月24日(火)12時10分

<同じ保育士でも公務員なら年収は民間の2倍以上。政府の政策は、民間の保育士の待遇の改善に本気で取り組んでいるのか疑問だ>

厚生労働省が、保育士の子供が優先的に保育所に入れるよう、優遇措置を実施することになった。保育士不足を解消することが目的だが、待機児童の問題が一向に解消されないのは、保育士の数が少ないことだけが原因ではない。本気で問題を解決したいのであれば、根本的な対応が必要となる。

有資格者のうち実際に保育士になっているのは3分の1だけ
働き方改革が社会的課題となり、保育施設の重要性がさらに高まっているが、保育士の慢性的な人手不足が解消される気配はない。保育士のなり手が少ないことが、待機児童問題の原因のひとつとされており、厚生労働省ではこうした事態に対処するため、保育士の子供を優先的に保育施設に入所できるよう各自治体に要請を行った。

保育士の子供を優遇する措置については、以前から政府内部で検討されており、一部の自治体では独自に制度の運用が行われてきた。一方、保育士が勤務する保育所への入所を制限するなど、優遇措置を実質的に制限している自治体もあることから、厚労省が調整に乗り出した格好である。

2016年10月時点における保育士の従事者数は、常勤換算で約35万7000人だった。しかし、保育士の資格を持ちながら保育士として働いていない人は70万人を超えるといわれている。この中には自分の子供を預ける場所がないという理由から職場を離れた保育士が含まれており、優先入所できるよう取りはからうことで、職場への復帰を促そうという試みである。確かにこの中の1割でも職場に復帰してくれれば、人手不足の問題はかなり解消されることになる。

だが、資格を持ちながら保育の仕事に従事しない有資格者がこれほどの数に上っているということは、自身の子供を預ける場所の問題だけではないことは明らかだ。人手不足にはそれなりの理由が存在しているはずであり、この部分を解決しなければ、人手不足はなくならないだろう。

よく言われているのが保育士の待遇である。2016年における保育士の平均年収は327万円で、幼稚園の教員などと比較すると低い水準にとどまっている。女性の社会進出が進んでいない日本の場合、一般的に女性の賃金は男性より大幅に低い。保育士は圧倒的に女性の方が多いので、女性という観点でみれば、特別に低賃金ということにはならないかもしれない。

だが、専門教育を受ける必要があり、しかも子供を預かるという相応の責任が発生する仕事であることを考えると、賃金が見合わないと考える保育士が多いのもうなずける。ちなみに厚労省が行った調査では、保育士とて就業しなかった理由のトップになったのは賃金だった。

同じ保育士でも公務員の場合、年収は2倍
だが、保育士の賃金が安く、有資格者にとって魅力的ではないという話の背後には、単に賃金水準だけではない様々な問題が存在している。その中のひとつが保育所間の賃金格差である。先ほどの保育士の賃金水準はあくまで、すべての保育士の平均である。

1762とはずがたり:2017/11/03(金) 17:19:45
>>1761-1762
ところが公立の保育所に勤務する保育士は公務員ということになるので、同じ保育士でも破格の待遇になる。ある自治体が公表した2016年における保育士の平均年収は約658万円だった。他の自治体も似たような水準と考えられるが、先ほどの平均値は公務員の保育士が引き上げている可能性が高いので、民間の保育士の平均年収はさらに安いことになる。

どこに雇用されるのかで賃金に差が付くことについては、一定範囲までは社会的コンセンサスが得られるかもしれないが、ここまで待遇差があると、当然のことながら民間施設に勤務する職員の士気は下がってしまう。

もっとも、公務員である保育士の年収が高いのは、勤続年数が長いことが大きく影響している。公務員であっても、保育士になりたての頃は、民間とそれほど大きな差はない。だが民間施設に勤務する保育士の勤続年数は短く、これが平均年収を引き下げている。
 
一方、公務員の保育士は、長年にわたって勤務するケースが多く、結果的に平均年収も高くなる。休暇が取りにくいなど、賃金以外の処遇を理由に就職しないという人も多いので、保育士の職場環境を改善することも重要だろう。このあたりは子供を預ける側の意識にも関係してくるかもしれない。

経営の透明化や合理化も必要
保育所には、公立の保育所と私立の保育所があるが、私立の保育所にも複数の種類がある。社会福祉法人が運営している保育所と株式会社などが運営している保育所である。社会福祉法人の場合には、施設整備などに関する手厚い補助があるが、株式会社運営の保育所ではこうした補助が得られないことが多く、場合によっては保育士の待遇が悪くなるケースがある。

では社会福祉法人なら待遇がよいのかというとそうとは限らない。社会福祉法人は国民の税金を原資とする多額の補助を得ているにもかかわらず、情報公開があまり進んでおらず、経営の不透明性が高いとの指摘がある。

政府の規制改革会議の専門委員が提出した資料によると、厚生労働省所轄の304法人の経常収支差額の事業収入に対する比率(民間の経常利益率に相当)は、民間の上場企業並みに高かった。すべての法人がそうではないだろうが、利益最優先で保育士の待遇改善に補助金が充当されていない可能性がある。

悪質な場合には、保育所が増えると法人の利益が減ってしまうとの理由から、新規の保育所を開設しないよう、自治体に働きかけているところもあるといわれる。

情報公開に関する指摘を受け、厚労省が、約2万ある社会福祉法人すべてに財務諸表をインターネット上で公表するよう義務付けたのは2013年のことである。最近は一般的な民間企業並みに情報公開を進める社会福祉法人も増えているが、状況はまだまだである。

今回の厚労省の施策がどれほどの効果をもたらすのかは現時点では分からないが、この施策だけで十分な数の保育士を確保できる可能性は低い。本当に待機児童を減らしたいと思っているのであれば、もっと抜本的な対策が必要だろう。

加谷珪一

評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『お金は「歴史」で儲けなさい』(朝日新聞出版)など著書多数。
http://k-kaya.com/


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