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人口問題・少子化・家族の経済学

1612とはずがたり:2017/03/07(火) 07:03:11
>>1609-1612
 保育所の量的拡大が優先されるあまり、質の向上が追いついていない現状を専門家はどう見ているか。

 慶応大学の駒村康平教授は、「女性活躍の推進」や「一億総活躍」を掲げるには、質の高い保育サービスの確保が急務であり、苦しい財政事情のなかでも財源確保が必要だと指摘する。そのうえで、「乳幼児期のサービスは、市場経済にさらされると供給不足や質の低下に悩まされる傾向があると指摘されている。政府が適切に介入することが必要になっている」との見方を示す。

 「21世紀の経済成長は、乳幼児期からの質の高いケアと教育を受けた人材育成がカギを握る――」。経済協力開発機構(OECD)がまとめた保育・教育に関する政策提言書「スターティング・ストロング」(人生の始まりこそ力強く)のメッセージを紹介するのは、泉千勢・大阪府立大学名誉教授だ。先進諸国の政策トレンドについて泉名誉教授は、「各国は保育の質を上げようと取り組んでいる。全ての子どもに良質な教育・保育を保障し、政府の責任を強化するのが各国共通の動きになっている」と指摘する。

保育所選び、「必要なら引っ越しも視野に」

 それでは、保育所選びに悩む保護者は、「安心して子どもを預けられる保育所」をどうやって見つければいいのだろう。

 「親の会」は、ホームページで「保育園選びのチェックポイント」を掲げ、候補園のリスト作りから見学に至る各段階で注意すべき項目を紹介している。

 特に保育の質を知る手がかりは、見学のアポイントメントを取る時点からあるという。具体的には、「見学を快く受け入れるか?」「園児の午睡時間でなく、活動時間を見せてくれるか?」などのポイントだ。また、見学時には、「クラス担任は常勤か、非常勤か?」「保育士の有資格者か? 経験年数はどれくらいか?」など、職員の体制について尋ねると、保育の質に直結する保育士の力量や待遇の安定度合いがある程度は分かる。

 施設環境のチェックも大切だ。見学の際には必ず保育室の中まで入らせてもらい、「0〜1歳児の部屋が幼児の部屋と分かれているか?」「過密でないか?」「日当たりや風通しはよいか?」などの点を見て、保育室の広さが最低基準を満たしているかどうかも聞いてみるといいという。

 さらに、子どもの安全を確保するために目を光らせるべきポイントもある。「親の会」代表の普光院さんがアドバイスするのは、「午睡で死亡事故が起きやすい『うつぶせ寝』をしていないか?」「園児が泣いた時などの保育士の反応は優しく応答的か?」などのチェックだ。こうした点をしっかり確認し、危ないと感じた保育園は避けることを勧める。

 一方で普光院さんは、「全ての地域で入所が困難なのではない」とも強調する。「国や自治体が公表する『待機児童数』にまどわされず、本当に入りやすい自治体はどこかを知ること。そして、安心できる預け先を見つけるためには、通勤時間がややかかることも覚悟し、必要なら引っ越しだって視野に入れた方がいい」と若い親たちに助言する。

 「親の会」では毎年、待機児童の多い100自治体の調査を行い、認可保育所に申し込みをした人のうち入所できた割合を自治体ごとに示した「入園決定率」を調べている。それを冊子「100都市保育力充実度チェック」(800円、税込み)で紹介しており、「入りやすい街」を知る手がかりとなる。

 質も確保された保育政策の推進が求められるなか、大切なキーワードになっているのは「安全」と「安心」だ。息子のために認可保育所を自主退園したマキさんは、「安心して子どもを預けられる環境は、親が仕事を継続するうえで極めて重要だと痛感した」としみじみ話している。

プロフィル
榊原 智子(さかきばら・のりこ)
 読売新聞調査研究本部主任研究員。専門分野は社会保障、少子化問題。政治部で中央省庁改革や厚生行政を担当後、解説部、生活情報部、社会保障部で社会保障を現場と政策決定の両面から取材。自身の「育児不安」体験を経て、「安心して産み育てられる社会」の実現や「脱・少子化」の方策に関心を寄せている。


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