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重工業・造船・航空機スレッド
810
:
とはずがたり
:2016/12/08(木) 19:58:57
>>808-810
コンコルドが抱えていた問題は、高コスト体質にとどまりません。最大の問題の1つが、超音速飛行時に発生する大音響、ソニックブームの存在でした。
ソニックブームは、音の壁を越えるときに機体先端などで発生する衝撃波により発生します。高いエネルギーを持ち、高い上空で発生した衝撃波でも地表にほぼそのままの状態で伝わることで大きな騒音被害をもたらします。
その様子は以下のムービーで確認が可能。55秒あたりからは、大西洋上を超音速飛行するコンコルドが起こした衝撃波が海上に到達して「バーン!」と大きな爆発音をとどろかせている様子を見ることができます。
深刻な騒音被害が発生するため、アメリカの航空当局はアメリカ上空におけるコンコルドの超音速飛行を全面禁止することに。当初、広大なアメリカ大陸での運用を目論んでいたコンコルドでしたが、この禁止措置によりその後の運命が大きく狂ったといわれています。
また、高高度を飛行することによる環境に与える影響も看過できないとされていました。通常の旅客機よりも高い高度で大量の排気ガスを出しながら飛行することで、オゾン層に深刻な影響を与えると指摘されていました。結果的に、実際に運航されたコンコルドは20機に及ばなかったため、影響のほどは定かではありません。
また、高い運賃もコンコルド普及の大きな足かせになっていたとも。コンコルドに乗るためには当時100万円以上ともいう運賃が必要で、一部の富裕層を除いて誰でも気軽に乗れるというものではありませんでした。
この高価格の理由は、1機あたりの乗客数の少なさも原因となっていました。一般的な大型クラスの旅客機では250名程度の乗客を1度に運ぶことができますが、コンコルドの座席数は小型機並みの100席あまり。そのため、ただでさえお金がかかるコンコルドの運行コストを100人の乗客が負担することとなり、高価格化に拍車がかかっていました。
また、問題発生時に対応するためのバックアップ機材の確保も高コスト化を加速させます。バックアップ機は文字どおり地上で「待機」させる必要があるのですが、これは航空会社にとっては最も避けるべき「お金を生まない(=運賃が発生しない)時間」が発生することを意味します。地上で何もしないまま遊ばせておくコンコルドを用意しなければならないという状況も、コンコルドの収益性に大きな影響を与えたと言われています。
これらの状況に加え、機体の高齢化に伴うメンテナンスコストの高騰や燃費の悪さなどから、徐々に「コンコルドの退役もやむなし」という見方が主流となります。
そしてついに2003年11月26日、最後のコンコルドがロンドン・ヒースロー空港に着陸して、1つの歴史に幕を降ろしました。
SST計画から時代は進み、新たな技術を導入した超音速機の構想がたびたび取り上げられることもあります。しかしこれらの計画が実行に移されるためには、経済性の課題をクリアすることが重要。いくら技術に秀でた機体を開発したとしても、商業的に成立するビジネスモデルが存在しないことには、その存続は非常に危ういものになると言わざるを得ません。
そんな中、イギリスではコンコルドを再び飛ばそうという民間プロジェクトが立ち上がっています。2020年までの再飛行を目指していますが、実現までにはまだまだ問題が残されている模様。とはいえ、人類が作り上げた歴史的遺産が再び動く姿をひと目見てみたいという希望を膨らませずにはいられません。
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