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重工業・造船・航空機スレッド
757
:
とはずがたり
:2016/09/30(金) 15:15:33
>>765-766
ビッグスリーとどう戦うか
生産拠点の国際化に加え、信号メーカーを手中にしてビッグスリーと同様にフルターンキー体制が整った。日立は、現在の鉄道事業売上高3526億円を2018年度には6400億円に高めたいという展望を描いている。英国案件が売り上げに寄与してくるので不可能な数字ではない。それでもビッグスリー各社の鉄道事業の売り上げは8000億〜9000億円に達する。追いつくにはもう一歩足りない。
「2020年代の早い時期に売上高1兆円を目指したい」――。日立製作所の東原敏昭社長は、さらなる業績拡大に意欲を見せる。達成のためには将来のM&Aも「考えていかないといけない」という。しかし、1兆円目標の実現に向け、東原社長にはM&Aよりもまず実現させたい、もう一つの秘策がある。
■鉄道とITの融合でトータルコスト削減
「日立が目指しているのは、車両製造だけではなく、ライフサイクルを通じたサービスの提供」だと東原社長は言う。その意味するところは、車両を納入しておしまいではなく、運行・保守も含め鉄道のライフサイクル全体で稼ぐビジネスモデルの構築だ。
たとえば、車両にIT機器を搭載して常時モニタリングを行なう。そのデータを蓄積すれば、故障の予兆を把握できる。そうなれば、故障する前に修理することで保守コストを引き下げることができる。つまり、トータルでのコスト削減につながることを顧客にアピールできるわけだ。
日立のライバルはビッグスリーだけではない。売上高3兆8000億円という世界最大の鉄道メーカー・中国中車が世界各地の市場に食い込む。その武器は中国企業ならではの、車両製造コストの安さだ。
ドーマー氏は、「我々は車両製造という初期段階のコストではなく、ライフサイクルコストを下げることに力を入れているので競合関係にはならない」と、中国との違いを強調する。初期コストの安さが重視される案件で中国が有利になるのは仕方がない。日立は、あくまでトータルの安さを訴えていく。
車両をIT化する効用はコスト削減にとどまらない。早期に部品を交換して故障を未然に防げば、列車の安定運行につながる。英国では日立の列車になってから故障が減ったので、早めに会社に行く必要がなくなり、子供といっしょに朝食を食べてから通勤できるようになった――。こんな話を東原社長は英国で聞いたという。「IT化は人々の生活の質を高めることにつながる」(東原社長)。
日立のIoTビジネスと連携へ
日立はビッグデータの解析で何ができるのか。たとえば、駅構内の人の流れを検知して最適なダイヤを自動生成する。駅ナカ店舗の売り上げ予測にもつなげる。さらには駅だけではなく、町や地域の発展にもつなげたいという。かなり壮大な計画だが、「車両の値段だけで勝負していてはいずれ限界がくる」と、東原社長は本気だ。
今年5月、日立は自社開発のIoTプラットフォーム「ルマーダ」を発表した。大量のデータを解析し、課題に対して全体最適の解を導き出す。鉄道は電力会社や公共事業と並びルマーダが実力を発揮できる分野の一つ。他社製の車両にIT機器を搭載してそのデータをルマーダで解析するということもありうる。うまく運べば、日立は鉄道とルマーダの双方で稼ぐことができる。
■ビッグスリーも同じ戦略をとる
ただ、問題はこうした鉄道とITの融合を考えているのが日立だけではないということだ。たとえばスペイン国鉄は高速列車のデータをシーメンスの独自プラットフォーム「シナリティクス」で解析して、予防的なメンテナンスを実施している。ボンバルディアはITを活用して、鉄道と他の交通モードを組み合わせた最適な移動手段の構築を模索している。
また米GEは車両製造の売り上げではビッグスリーの後塵を拝すが、鉄道系システムには滅法強い。同社のIoTプラットフォーム「プレディクス」は日本の東京電力やLIXILも活用するなど普及が進んでいる。日立がこうしたライバルたちとどこまで競合できるかは予断を許さない。
前回、2014年のイノトランスにおいて、アンサルドブレダは高速鉄道車両と無人運転車両の展示を行なって注目を集めた。しかし、今回のイノトランスで日立グループは実車の展示を行なわなかった。「実車展示よりも、日立本体、英国、イタリア、そしてアンサルドSTSが一体化したことを示すことが重要だった」と担当者は説明する。つまり、今回はグループ全体を象徴する車両の展示ができなかったということだ。
次回、2018年のイノトランスで日立はどんな列車を会場に持ち込むのだろうか。高速列車か、あるいはセンサーを多数搭載した都市型車両か。来場者が驚くような車両であることを期待したい。
大坂 直樹
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