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重工業・造船・航空機スレッド

756とはずがたり:2016/09/30(金) 15:15:06
日立、はるか先を走る「鉄道3強」超えの秘策
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160930-00138018-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 9月30日(金)8時0分配信

 9月20〜23日にドイツ・ベルリンで開催された世界最大の鉄道見本市イノトランス。屋外にずらりと並ぶ本物の鉄道車両が見本市の華だとすれば、シーメンス(ドイツ)、アルストム(フランス)、ボンバルディア(本社カナダ、鉄道の本拠はドイツ)といった“ビッグスリー”の屋内展示ブースはさながら社交場だ。足の踏み場がなくなるほど多くの来場者がブースを訪れ、ワインやビール片手にビジネス談義に花を咲かせる。

 その”欧州倶楽部“に仲間入りを果たしたのが日立製作所だ。日立のブースはシーメンスと通路をはさんで隣り合わせ。訪れる人の数もシーメンスにひけをとらない。これまで日本企業のブースといえば、来場客はまばらで、所在なげにしているスタッフの姿が印象的だったが、今回の日立のブースはまるで外国企業のような活気に満ちていた。

■小さなブースから出発

 日立は2015年11月にイタリアの航空・防衛大手・フィンメカニカから鉄道車両中堅・アンサルドブレダと信号システム大手・アンサルドSTSの2社を買収、鉄道事業の売上高をそれまでの1674億円から3526億円に倍増させた。過去のイノトランスではアンサルドブレダとアンサルドSTSもそれぞれブースを構えていたので、出展規模が大きくなるのもある意味当然だ。

 「12年前、私が日立に入社して初めてイノトランスに出展したときは、他の日本企業との共同出展で、小さいブースだった」。感慨深げに語るのは日立の鉄道部門を率いるアリステア・ドーマー氏である。アルストムを経て2003年に日立の欧州現地法人に入社、2016年には日立に9人いる執行役専務の1人に上り詰めた。日立の執行役専務で外国人はドーマー氏1人だけだ。

 日立の鉄道事業が海外で大きく羽ばたくことになったきっかけは、英国の高速新線・CTRLの受注である。実現に向け尽力したのがドーマー氏だった。その後、やはり英国の総額1兆円規模の都市間高速鉄道プロジェクト(IEP)を受注するなど、ドーマー氏が率いる日立の鉄道事業の快進撃は止まらない。

イタリア2社買収の影響とは
 日立がフィンメカニカ傘下の鉄道2社の買収を検討していることが明るみになったとき、日立が本当に欲しいのは鉄道メーカー・アンサルドブレダではなく、信号メーカー・アンサルドSTSだというのが、もっぱらの観測だった。ビッグスリーは車両と信号などのインフラを設計・建設から保守まで一括で請け負う「フルターンキー」契約で業績を伸ばしていた。アンサルドSTSは、ヨーロッパ標準信号システムや無人運転システムに強みを持ち、顧客も多い。車両メインの日立が海外で業績を伸ばすためには、独自の顧客基盤を持つ信号メーカーがのどから手が出るほど欲しかった。

 一方、車両メーカー・アンサルドブレダは、イタリアを代表する車両メーカーでありながら、近年は他国の鉄道会社に納入した車両にトラブルが相次ぎ評判を落としていた。業績も赤字。しかも買収後に従業員のリストラは行なわないなどの制約もついた。日立はアンサルドSTS株式の過半数を取得するのに1000億円超を投じたのに対し、アンサルドブレダの買収価格がわずか48億円だったということからも、両社の位置づけがよくわかる。

■日立が鉄道に注力する理由

 とはいえ、ひょっとしたらアンサルドブレダは安い買い物だったのかもしれない。買収後、アンサルドブレダは「日立レールイタリア」と名を改め、その重要性はにわかに高まった。日立は英国向けの標準型都市間車両「AT300」を1308両受注しているが、日本と英国の工場だけでは生産が間に合わない。そこでイタリアにも車両生産を受け持ってもらうことで、効率化を図る。しかも、現在は英国EU離脱で英国と欧州大陸との関係も不透明感が漂う。その点でも英国とEUの両方に製造拠点を持つ利点はありそうだ。

 それにしても、なぜ日立は鉄道事業に経営資源を集中するのだろうか。世間では「鉄道産業は成長性が高い」と喧伝されるが、交通系調査会社SCIフェルケールによれば、世界の鉄道市場の今後5年間の予想成長率は2.3%にすぎない。高い成長性が見込めないと判断したからこそ、フィンメカニカは鉄道2社を手放した。

 この点に関してドーマー氏は、「日立の鉄道事業には勢いがある。しかし、世界の競争相手と戦うにはもっと規模を大きくしないといけない」と語る。確かに日立は英国の1兆円案件を押さえたことで市場平均を上回る成長が約束された。さらなる成長エンジンとして、「イタリアの2社を買収したことで世界各国に生産拠点を持つことができ、事業バランスが改善された」とドーマー氏は言う。


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