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重工業・造船・航空機スレッド

671とはずがたり:2016/01/18(月) 16:33:00
>>670-671
 さらに中国国営新華社通信や米ブルームバーグ・ニュース(いずれも電子版)などによれば、中国の企業連合と米鉄道会社が9月、ネバダ州ラスベガスとLAを結ぶ高速鉄道を建設する合弁会社を設立することで合意した。約370キロを時速約250キロ程度で結ぶ計画で、29年9月にも着工する。もっとも、この合弁会社をめぐっては、中国の習近平国家主席の訪米を前に急きょ発表されたことから、政治色がきわめて強い。ただ日本側からしてみれば、こうした実績がサンフランシスコ-LA間の計画などに“悪影響”を及ぼし、「ドミノ倒し」で中国に受注を奪われることも懸念される。

 一方、日本の国土交通省も11月21日、官民ファンド「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)」による、テキサス州の高速鉄道事業への出資を認可。出資額は4000万ドル(約49億円)。JR東海の新幹線システム導入が前提で、ダラス-ヒューストン間約385キロを約90分で結び、22年ごろの開業を計画している。ただ、日本政府が成長戦略の柱の1つに位置付けるインフラ輸出の促進につなげる狙いがあり、こちらも政治的思惑がないとは言い切れない。

米国民「急ぐのなら飛行機に乗ればいい」

 こうしてみてくると、日本、中国、あるいは「第三国」が受注するにせよ、米国の高速鉄道計画は順調に進むものと思えてくる。だが、“末期状態”のオバマ政権に新たな政策の実行は見込めない。政権が代われば、各地の計画や構想に影響が出てくる可能性だってある。そもそも下院で多数を占める共和党は高速鉄道には消極的だ。実際、フロリダ州では草の根保守派運動「ティーパーティー」の支持を受ける知事が歳出削減のために高速鉄道計画の中止をいったん表明した経緯さえある。

 その一方で、米国民の感覚にも左右されそうだ。というのも、米国では近郊鉄道の需要がある東海岸の一部の都市を除けば、鉄道が生活に密着しているとは言い難い。高速鉄道も、「北東回廊」と呼ばれる、ボストン〜ニューヨーク〜ワシントンDCの人口密集地を結ぶ「アセラ・エクスプレス」のみだ。しかも徐行区間が多いため平均時速140キロ程度と、とても「高速鉄道」と呼べない。「急ぐのなら飛行機に乗ればいいんじゃないの」「高速道路が整備されているから車の方が快適だよ」…。実際に米国人から聞いた感想である。

 日本人の感覚からすればそうした意識が、米国の都市のインフラ整備を遅らせていると思わずにはいられない。例えば、全米に鉄道網を巡らせる全米旅客鉄道公社(アムトラック)は、屈指の観光都市サンフランシスコの中心部に列車を直接乗り入れていない。サンフランシスコ湾の対岸の都市オークランドに2駅があり、アムトラックが無料のシャトルバスを運行しているのだ。もっとも、「バート」と呼ばれる近郊列車が国際空港から30分ほどでダウンタウンまで運んでくれる。サンフランシスコ-LAは飛行機で1時間程度なのだから、カリフォルニア州民にしてみれば「すごく便利」なのだろう。つまり鉄道いらずなのだ。

 せっかく動き始めた米国の高速鉄道建設計画。いずれにせよ、オバマ後の受注をめぐる“日中戦争”から目が離せない。


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