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重工業・造船・航空機スレッド

654とはずがたり:2015/12/17(木) 19:47:13
>>653-654

新幹線ファンを増やす"草の根活動"

2011年、インド鉄道省の幹部が日本の新幹線関連施設を訪れた
政府高官同士の外交交渉だけでなく、実務者レベルでも新幹線ファンを増やす活動を展開した。

2011年12月にはインド鉄道省の幹部12人を招き、2週間にわたって新幹線の運行指令センター、車両メーカーの工場などを見せて回った。

宮城県利府市にあるJR東日本の新幹線車両基地を訪問した際には、整備中の2階建て新幹線を目の当たりにして「おおっ」という感嘆の声が漏れた。「1カ月に何両検査するのか」「モーターの牽引力はどれくらいか」。視察後の質疑応答では、専門家ならでは具体的な質問が矢継ぎ早に飛んだ。

こうした実務者レベルへの活動が新幹線採用の強力な地ならしとなったことは間違いない。結果として、日本は予備FSに続く本格的FSを2013年に逆転受注することができた。実際の調査はJR東日本系の日本コンサルタンツを代表とする企業連合が担当している。

今年7月にインド政府へ提出された最終報告書には、「新幹線」とは名指しされていないものの、「専用軌道方式を前提とした路線計画」が書かれてあった。「他国の高速鉄道を排除している内容ではないが、実質的に新幹線であることは明らか」(関係者)だった。

新幹線方式採用の最後の一押しというべきイベントとして、今年10月、日本の関係団体がV・P・パドノール上院議員らインドの国会議員団を招き、都内でインド鉄道インフラの近代化に関する講演会を催した。パドノール議員は「鉄道の近代化や輸送力増強は喫緊の課題。日本の技術支援が必要だ」と訴えた。

講演後のトークセッションでは日本側のコメンテーターが「日本とインドが高速鉄道技術でパートナーシップを組めば、いずれインドが外国に新幹線を輸出する時代がやってくる」と花を持たせると、インドの国会議員も「インドで大成功したマルチスズキの経験もある。日本の技術を信頼している」と応じ、蜜月ぶりをアピールした。

失敗が許されない"一番列車"

インド版新幹線の建設工事は2017年にスタートし、2023年に完成する予定だ。海外における新幹線方式の採用事例としては、2007年開業の台湾に続く2例目。今後の他国への展開にも弾みがつく。

ただ、楽観はできない。最大のライバルは中国だ。日本がインドの実務者を招いて検査や整備の様子を見せるという草の根活動を展開しているのを横目に、中国はインド国内に共同出資で「鉄道大学」を設立し、鉄道の製造や整備に関するノウハウを提供するとブチ上げている。

インドには、今回のムンバイ―アーメダバード間に続く高速鉄道計画がいくつもある。全長1750キロメートルのデリー―チェンナイ間やデリー―ムンバイ間といった基幹路線のFSを実施しているのは、中国系のコンサルタントだ。ムンバイ―チェンナイ間などほかの主要路線は、フランス、スペインのコンサルタントがFSを担当している。

もし、インド国内で新幹線方式が採用されるのが1路線にとどまるのであれば、勝利どころか敗北の烙印が押されてしまう。次につなげるためにも、“一番列車”で失敗は許されない。


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