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重工業・造船・航空機スレッド

616とはずがたり:2015/10/12(月) 16:53:33
>>614-616
 翌8月13日、駐インドネシアの謝鋒中国大使はジャカルタで開催された「急速に発展した中国高速鉄道」展覧会で祝辞を述べたが、同日、リニ・スマルノ国営企業大臣も展覧会に出席し、中国高速鉄道を支持するコメントを出している。

 そして国有企業省の記者会見で「G2G(政府対政府)」ではなく、「B2B(企業対企業)」で高速鉄道プロジェクトを推進していきたいと強調した(と中国メディアが報道した)。

 中国は8月の入札時に「中国とインドネシアの企業が連合して合資企業を誕生させ、インドネシア企業の持ち株を60%、中国側企業が40%とする」という、インドネシア政府に有利な条件を提示している。

 これを「偶然」と解釈するのか、それとも「デキ」レースととらえるのか。
 その後の流れから行けば、「偶然」と解釈するには無理があるだろう。
 デキ過ぎている!

損して得獲れ
 中国がこのような条件でプロジェクトを実行することは損失ばかりで、「実行不可能だろう」と日本政府は思って(期待して?)いるかもしれない。

 しかし、数千年におよぶ「策略」の歴史を持つ中国。
 結果的に損するようなことはしない。

 中国の国有企業が儲かるようにきちんと計算してあるのと、何よりも一帯一路の足掛かりをインドネシアにつけておくことは、この後の長期的な海洋戦略で欠かせない。どんなに高額なものになっても、投資は惜しまないだろう。

 アメリカのカリフォルニア州の「ロサンゼルス‐サンディエゴ」間の鉄道敷設に関しても、中国はすでにカリフォルニア州と意向書を取り交わしている。カリフォルニアは早くから親中的な華人華僑で陣固めをしてあるので、ビジネスは西海岸から始めるのである。

 これまでODA予算などで、ひたすらインドネシアを応援してきた日本としては、裏切られたという思いが強いだろうが、国際社会は「友情」や「温情」では動かない。

 残念ながら、動くのは「戦略」だ。

 日本の劣勢は今後も世界のいたるところで展開される危険性を孕んでいる。それを避けるためには、中国の一部始終を洞察する外交戦略の眼が不可欠だろう。

(寄せ集めだらけの中国の高速鉄道技術だが、それはまた観点が異なるので別途論じることとする。)

 追記:4月22日、ジョコ大統領と会った習近平主席は、爆買い観光客をインドネシアに行かせることも約束した。

[執筆者]
遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など著書多数


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