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大中華世界的話題

43とはずがたり:2005/06/07(火) 11:40:33
>>42-43
 そんなシハヌーク前国王の人を惹きつける資質や芝居がかった物言いは、ブログにも顕著に表れている。2003年、カンボジア総選挙でフンシンペック党――前国王の息子の1人が率いる党――が敗北したさい、当時まだ引退前だった前国王はこれをワーテルローにおけるナポレオン軍の敗退になぞらえて「不名誉な出来事」と書いた。

 だがその後、態度を180度変えてこう記している。「父親として、あのようなことを書いたことを心から後悔し、息子とフンシンペック党に謹んでお詫びをする」

 ほかにも、シハヌーク前国王の書き込みには忘れがたいものが数多くあるが、以下にそのいくつかをご紹介しよう。

 斧で殺されたある政治家の未亡人に見舞金と米を送るよう側近に命じた後で、前国王はこう書いている。「なんという驚きだ! 残虐な暗殺者の正体は……他ならぬ被害者の妻で、今は刑務所に入っているというではないか!! この未亡人――自分の夫を殺した殺人犯――に先に記したような援助を与えることなど、できるはずもない」

 1920〜30年代に活躍したハリウッドスター、ケン・メイナードを懐かしく振り返る一文――「(メイナードは)『正義を世に広める』カウボーイとして、私があこがれた人物だ。メイナードの白馬は比類のない美しさで、人間に劣らない知性を持ち、天使のような身のこなしだった」。シハヌーク前国王は、プノンペンで公開されたメイナードの映画は1本たりとも見逃したことがなく、父親に馬を2頭買ってもらったときも、「『カウボーイ式』の乗馬が練習できる」と喜んだという。

 とはいえ、サイトでの発言がすべて、こんなに穏やかな調子とは限らない。前国王の幼少時代の文通相手とされる人物がカンボジアの社会や政治を痛烈に批判する文章を書いたことを巡っては、フン・セン首相の怒りを買った。前国王が言うには、ルーム・リットと名乗るこの謎の人物はフランスで暮らしており、「自分の分身のような存在」だという。

 自身もクメール・ルージュ軍の元兵士だったフン・セン首相が、この人物には早々に退場を願いたいと公言したのを受け、シハヌーク前国王は最近、リット氏をブログに登場させるのをやめた。4月15日付けの書き込みには、リット氏の復帰を願う読者に宛ててこう書いている。「わが分身であるリット氏のもとに、ここ数年で3度目となる『原子爆弾』が届けられた。これは間違いなく、現在のカンボジアについて書き続けたいというわれわれの意志を打ち砕くものだ……。あなた方の尊いご理解に感謝する」

 シハヌーク前国王自身、カンボジア社会が抱えるさまざまな問題について、しばしば激しい口調で批判を展開している。たとえば、カンボジアを「石油の出ない小さなサハラ砂漠」に変えてしまいかねない森林違法伐採や、カンボジア女性が他のアジアの国で売春に従事して「苦しみと辱めを受けている」のに、親たちは貧しさゆえにそれを止める術を持たないことなどだ。

 2004年2月にサンフランシスコで行なわれた同性愛者カップルの結婚式の模様をテレビで見たときには、前国王はカンボジアも同じことをすべきだと書いた。しかし、この発言はその後、「世界中に数多くの『反動』を呼び起こすきっかけに」なってしまった。

 「無数の賛同や(同性婚を)祝うメッセージが寄せられている……ありがたいことだ。だが(一方で)、反対や軽蔑、侮辱のメッセージも届くことは間違いない」

 前国王が直々に書いているブログはまた、その私生活を垣間見せるものでもある。たとえば、大勢の妻たちとのエピソードがそうだ。ただし1940年代の話だが、当時のことを前国王は次のように書いている。「当時の私の性生活は、いささか……激しかった。もっとも私はずいぶん前に、一夫一婦主義に転向しているが」。シハヌーク前国王がモニニアット前王妃と結婚してから、50年あまりが経つ。

 シハヌーク前国王は先日、一時寛解していたガンが再発したことをブログで明らかにしたが、ある雑誌が自身の死亡記事を用意していると知って、読者にこう述べた。「5月13日金曜日現在、私にはまだ死んだという意識はない。もしかすると、もう死んでいるのかもしれない。だが、自分は生きていると信じ続けようと思う」

[日本語版:藤原聡美/高橋朋子]日本語版関連記事


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