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マスコミ

858名無しさん:2010/04/30(金) 21:10:36
みんなで渡れば怖くない
2010年4月30日 The JOURNAL
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20100430-01-1301.html

 この国の新聞とテレビは全社が揃って判断を間違える事が良くある。ところが間違えても誰も責任を取らないし反省もしない。みんなが間違えたのだから仕方がないで終わる。逆に他が報道している事を1社だけ報道しないと「特オチ」と言って大問題になる。「特オチ」した社は大恥をかき、担当者は責任問題になる。
 
 国民からすれば「特オチ」で困る事はない。しかし全メディアに間違った報道をされれば被害甚大である。普通の人はメディアが揃いも揃って間違える事などあるはずがないと思っている。私も初めはそうだった。しかし現場で仕事をするうちにそうでない事が分かった。間違いは繰り返されているし、誰も反省はしていない。それを少し紹介する。
 
 1980年の春闘の時である。当時の春闘は日本経済の牽引役である自動車と電機が賃金相場を主導し、それを受けて国鉄と私鉄の労働組合が共闘する交通ゼネストで最大の山場を迎える。それが毎度のパターンだった。交通ゼネストが実施されれば全国一斉に通勤の足が止まる。前日から会社に泊まり込まなければならないサラリーマンもいる。ゼネストの規模がどの程度になるかを見極めて報道する事は新聞とテレビに課せられた重要な仕事だった。
 
 新聞各社とNHKは経営側を取材する経済部、労働組合を取材する社会部、そして春闘を事実上コントロールする官邸を取材する政治部が10数名でチームを組む。誤報すれば社会的影響が大きいので精鋭が集められる。しかし報道取材で後発の民放各社は1名で取材させられた。組合を取材するだけで精一杯である。私は思案の末、底の浅い取材になるかも知れないが、昼間は組合、夜は経営側の幹部の自宅や春闘を担当する官房副長官の宿舎を回って歩いた。
 
 すると私鉄の労使と官邸がこれまでの春闘とは異なるパターンを模索している事が分かった。しかし国鉄の労組はスト突入に強硬で私鉄の組合も表面はそれに同調している。総合的に見てこれまでの春闘パターンが崩れると私は判断した。官公労と民間組合の共闘は分断されるのである。スト実施の前日に「ストライキは回避される可能性あり」との原稿を書いた。新聞社のベテラン記者から「勇気あるねえ」と言われた。新聞とテレビは全社が「交通ゼネスト突入必至、通勤の足大混乱」の観測記事を掲げた。
 
 結局、明け方に私鉄の経営側が高額回答を出し、私鉄は通勤に影響のない始発だけのストで終わった。満足する回答を引き出せない国労と動労は夕方までストを打つが、私鉄さえ動けば通勤の足には何の支障もなく混乱はなかった。この年の春闘が日本の労働運動を官公労優位から民間主導に変えた。


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