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マスコミ

680名無しさん:2009/09/26(土) 01:25:02
>>679

記者クラブ制度は国民の知る権利を担保している
 新聞社在勤中に、新聞協会の記者クラブ問題小委員会のメンバーとして「記者クラブ見解」を作成したことがある。以前は、記者クラブを「親睦組織」と規定していたのだが、それを「公的機関の情報公開、説明責任という責務」と、メディア側の「国民の知る権利を担保する責務」が重なりあう場に位置するといった表現に改めた。

 親睦組織という位置づけでは、公的機関の側が記者クラブの部屋を提供するといったことの説明がつかないためである。たしかに、かなり前までは、電話代やコピー代など諸経費を公的機関の側に負担させるといったことも行われていたが、さすがに、いまではそういう不明朗なことは払拭された。

 記者クラブに安住して、公的機関が垂れ流す情報をそのまま報道している「横並び体質」を批判する向きもある。これも実態とは違う。記者クラブで発表ものの記事ばかり書いていて仕事している気になっているような記者は、いまや淘汰されつつある。経営状況が厳しいメディアがそういう記者に高給を与えていてすむわけがない。

 たしかに、取材というのは「一対一」が原則であるのはいうまでもない。だが、政治取材の現場ではこれにも限界がある。「夜討ち朝駆け」が主体になるのだが、当然、各社の記者と一緒になる。同じ話を聞いていても、ピンとくるかどうかで記者の質が試されることにもなる。ときには、いったん、お開きになって相手の家をそろって出た後、車で家のまわりを一回りして帰ったように見せかけ、もう一度、上がりこむといった芸当も必要になる。

 政治取材には「記者会見」と「懇談」がつきものだ。会見は相手の名前を特定して報道していいケースである。「懇談」というのは、「政府首脳」「政府筋」「○○省首脳」などとして、発言者をぼかして扱うものだ。会見開放となると、いったいどこまでオープンにするかが現実問題として厄介なことになる。

 なぜ、「懇談」が必要か。その問題をめぐるさまざまな事情、背景などを、ざっくばらんに聞き出すためである。記者会見という公開の場では言えないことも、懇談の場では可能になる。政治家や官僚の側もそのあたりの呼吸を心得ていて、「ここまでは会見でしゃべる。ここから先は懇談にまわす」という対応をする。

 これも長い間かけて、政治取材の現場でつちかわれた「知恵」である。これによって、読者、視聴者には、より深い情報が伝えられることになる。政治は建前と本音の世界だが、こうした取材手法によって、ぎりぎりまで本音ベースの背景説明が可能になるわけだ。
ネットの時代になってもメディアの重要性は変わらない
 日常、なにげなく読んでいる新聞記事には、そういう取材現場の蓄積があることを知ってほしいとも思う。「ニュースはネットで見るから、新聞はいらない」という声も少なくないが、これも重大な事実誤認だ。

 ネットにニュースを提供しているのは、新聞社や通信社なのである。ネット自体が第一次情報の取材体制を持っているわけではない。筆者は仕事の必要上、全国紙全紙を購読して毎日、目を通しているが、その一方でネットニュースも点検する。ネットでどう扱われているかを知ることも重要な示唆を与えてくれるからだ。

 鳩山政権に要望したいのは、そうしたメディア状況を踏まえたうえで、「取材、報道の自由」をどこまでも守り通す構えを取ってほしいということだ。官房長官の初記者会見で「言論統制をするのか」といった趣旨の質問が飛び出すようでは、民主党政権の名が泣く。取材の機会は多ければ多いほどいい。それが、国民の知る権利の拡充につながるのである。


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