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マスコミ

1604名無しさん:2019/01/05(土) 02:32:59
>>1603

考えられるのは、小説やノンフィクションの本数を増やし、単行本の受け皿として機能させることだ。再開、休載を繰り返す作家や、お色気小説をやめ(私は漫画もやめたほうがいいと思うが)、力のある作家や、ノンフィクション・ライターを起用する。半年連載すれば本になるから、単行本も編集部で出版することを認めてもらえば、かなりの実入りになる。会社に週刊誌の存在意義を見せつけるのだ。

その次は、週刊誌の原点に立ち返ることだろう。週刊誌は新聞やテレビにできないことをやる。これしかない。

そうはいってもネタがなかなか見つからないと嘆く編集者がいる。バカをいうな。週刊朝日を100万部にした名編集長・扇谷正造氏は、こういっていた。「死亡記事の見直しを」(松浦総三著『週刊誌を斬る』より)。理由は、これほど厳粛なニュースはない。記事の大小はその時代の平均的な価値判断の基準を示している。そして、その人に関する最後のニュースである。

■ネットを一日中眺めていても面白いネタは取れない

文藝春秋社の名編集長だった田中健五氏も、「ニュースなんて僕らの周りにいくらでも転がっている。それを今の編集者は見ようとしない」と、私にいった。

週刊新潮創刊の時、「人間の興味は金銭欲、色欲、権力欲。これを扱えば売れる」と喝破したのは齋藤十一氏であった。それは今も変わらない。

ネットを一日中眺めていても面白いネタなど取れはしない。最大の情報源は今も昔も人間である。

現代やポストは、木曜日校了で発売は月曜日である。したがって生ネタを入れにくいというネックがあるが、そこから企画ものスクープという手法を考え出したのだ。

昔、私がやった「早稲田大学の凋落」しかり、「ヘア・ヌード」、福島第一原発事故の後、放射能の危険性を訴え続けた記事、先日やっていた「飲んではいけない薬、受けてはいけない手術」もその流れに入ると思う。

■「弱きをくじき強きを助ける記事が多すぎる」

多くの週刊誌を読んで評論していた松浦氏は、1978年に週刊誌がじり貧になっているとして、その理由をこう書いている。

第一にタブーが多すぎる。タブーに挑戦するといっているのに、時の政府批判や天皇制を批判せず、やったのは共産党批判だけ。

第二に、弱きをくじき強きを助ける記事が多すぎる。

第三に、政府と財界にがんじがらめになっていて、週刊誌本来の庶民性やゲリラ・ジャーナリズムを喪失している。

そのほかにも、編集者の給料が高すぎると指摘している。このことは、今の週刊誌にも当てはまるはずだ。

現代の20万部は危険水域である。昔のような70万、80万部というのは望めないにしても、講談社という大出版社の出す週刊誌として30万部は欲しい。現代と付くのが、小説現代、夕刊紙の日刊ゲンダイとウェブメディアの現代ビジネスだけになっていいのか。OBの一人として奮起を促したい。

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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)などがある。
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(ジャーナリスト 元木 昌彦 写真=時事通信フォト)


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