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マスコミ
1044
:
とはずがたり
:2014/07/19(土) 19:29:40
>>1043-1044
まずは、これまでの当コラムでも何度か取り上げたグレン・グリーンウォルド氏。「スノーデン事件」でスクープを放ち、ピュリツァー賞を勝ち取ったとことで今では世界的に著名なジャーナリストだ。だが、振り出しは人権や憲法を専門にする弁護士であり、ジャーナリストに転じたのは30代後半になってからである。
米国家安全保障局(NSA)によるスパイ活動を暴いたスノーデン事件では、グリーンウォルド氏は弁護士としての経験を存分に生かしている。NSAによるスパイ活動は人権や憲法と密接に絡んでおり、まさに同氏の専門分野なのだ。専門知識を欠いていたら、膨大なNSA機密文書を読み解くのは容易ではなかっただろう。
次は、2010年に「ネットメディアが初のピュリツァー賞受賞」で注目を集めたシェリー・フィンク氏。専門家からジャーナリストへ転じたという点でグリーンウォルド氏と同じだ。
現在は米ニューヨーク・タイムズ記者のフィンク氏は米ネットメディア「プロパブリカ」の記者時代に、ハリケーン・カトリーナの災害現場で極限状態に置かれた医師や看護師の実態を描いてピュリツァー賞を受賞。もともとはスタンフォード大学で脳神経科学の分野で博士号を取得し、医師の資格も取得した医学・医療分野の専門家だ。コソボやボスニアなど紛争地域で人道救援活動に従事する活動家でもあった。
要するに、ピュリツァー賞を受賞するほどのジャーナリストなのに、2人とも大学卒業後に既存の大手メディアで記者として働いた経験を欠いているわけだ。
では、どこでジャーナリストとしてのスキルを学ぶのか。フリーランスが活躍するアメリカでは選択肢はさまざまだ。フィンク氏の場合、スタンフォード大学でフィーチャー記事の書き方を学んでいる。名門コロンビア大学ジャーナリズムスクールを筆頭に、アメリカでは社会人も対象にした大学院レベルのジャーナリズム実践コースが多い。
「取材依頼はファクスでお願いします」
先に触れたように、日本の新聞社も限定的ながら社会人経験者に門戸を開いている。冒頭で紹介した朝日の社告には「秋の採用試験」とともに「社会人採用試験」の概要も書かれている。そこでは年齢制限はなく、「専門・得意分野がある方も歓迎」となっている。同様に読売も毎日も社会人経験者の枠を設けている。
今年4月入社組のうち、専門性を備えた経験者が何人いるのだろうか。こう思って朝日、読売、毎日3社の広報部に直接聞いてみた。3社とも「公表していません」とそっけない返事だった。あまりに人数が少ないため、恥ずかしくて公表できないのか。
余談になるが、毎日は「内訳は教えられません」と言って電話を切ったが、朝日と読売は「取材依頼はファクスでお願いします」という対応だった。困ったことに、私の自宅兼事務所にはファクス機がない(過去6〜7年、ファクス機がなくても取材時も含め不自由したことがなかった)。そのことを伝えると、読売は「取材依頼をPDFファイルにして電子メールに添付するのでもいいです」と配慮してくれた。
問題は朝日だった。「ファクス以外では受け付けできない」の一点張りなので、仕方なく近所のコンビニからファクス送信。後日電話で「回答します」との連絡を受けたが、ここでも「ファクス以外では回答できない」。仕方なく知人宅でファクス機を借り、受信した。そこに書いてある文面を見て、思わず吹き出してしまった。
〈 採用に関する詳細については、お答えを差し控えさせていただきます。 〉
これだけである。なぜ電話口で一言「お答えできません」と言えないのか。嫌がらせなのか。わざわざ知人宅でファクス機を借りるまでしたのに・・・。
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