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宇宙

854荷主研究者:2016/09/11(日) 11:36:36

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20160824000058
2016年08月24日 11時51分 京都新聞
歴史書で宇宙「観測」 京大、成果相次ぐ

京都大に残っていた印画紙による過去の地磁気の記録。奥にあるのは当時用いた観測機器(京都市左京区・京大)

 観測手段が未発達だった頃の宇宙の状態を推測するため、歴史書や過去の記録を活用する手法が広がっている。数百年以上をかけて変化することもある自然現象に対し、蓄積された史料を生かして調べようという試みだ。京都大では300年にわたる中国の歴史書や、半世紀前に違う目的で行った観測記録を洗い直して成果を出した。先人の遺産は、新たな科学の発見の宝庫となる可能性を秘めているようだ。

 清朝(1616〜1912年)の前史を含めた記録「清史稿」。全536巻で、太祖ヌルハチの時代から辛亥革命で政権が変わるまでを、皇帝の行いや政治制度、天変地異などさまざまな観点から記す。

 中国では天体の変化が王朝の行く末に影響すると考えられ、専門の役人が夜空を観察する伝統がある。京大総合生存学館の磯部洋明准教授や理学研究科大学院生の河村聡人さんらはこの点に着目。文学研究科の大学院生で東洋史を専攻する早川尚志さんと協力し、過去のオーロラの記録から太陽活動の推測を試みた。

 磯部准教授らはウェブ上に公開されている清史稿のデータを使い、「気」「光」などのキーワードで検索。公刊された書籍にも当たり、夜空に光るものがあったという趣旨の記載を延べ111件で見つけた。このうち一定期間観察が続いた例は彗星(すいせい)と見なすなど精査。1618〜79年では、延べ5件でオーロラの観測を記したと推測した。太陽の活発さを表す黒点数が少なく巨大なオーロラを発生させにくいと考えられている45〜1715年でも大規模なオーロラが観察された可能性が生じた。

 科学者だけでは清史稿を読めないため、文理の枠を超えた研究となった。少なくとも漢の時代には天体の記録があり、今後も研究を進めたいという。河村さんは「歴史書をひもとき太陽活動の新たな側面の可能性を示せた。京都の寺社には古文書が多いので日本の観測記録も確かめたい」と意欲を見せる。

 京大理学研究科の能勢正仁助教と大学院生の山本和弘さんらは、地震予知などのため約50年前に地磁気を印画紙に記録したアナログデータを活用し、人工衛星での観測が始まる前のプラズマ質量の推定という別の目的で成果を見いだした。

 茨城県石岡市の観測所の資料庫に眠る記録のうち、1956〜75年の分を活用。約7千枚に及ぶ印画紙に記録された地磁気の変化をスキャナーでデジタル化し、極地でオーロラが発生した時に変化する地磁気を分析してプラズマの質量を算出。58年ごろと70年ごろに地球周辺のプラズマの質量が現在の約2倍だったことを突き止めた。

 能勢助教は「宇宙の活動は長期的に観測する必要があり、過去の記録の活用は重要」と意義を話す。


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