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宇宙

835とはずがたり:2016/07/01(金) 13:48:12
>>834-835
 この中央構造線は地質学的には地震を繰り返して起こしてきたことが分かっており、その結果として、たとえばその南北で別の岩が接しているなど、この活断層の南北で山脈や川筋が食い違っている。これはこの活断層に沿って繰り返して起きてきた地震の結果である。

「中央構造線」で初めて体験した巨大地震

 この大断層の西端に近い熊本で起こった4月14日の地震は、日本人が中央構造線で初めて体験して被害を生じた地震だった。

 つまり、この長大な活断層が起こした地震を日本人が体験して史実として書き留めた例はなかった。日本人が住み着いたのは約1万年前、記録を残しているのはせいぜい1000〜2000年ほどなので、この大断層が地震を繰り返してきた時間の長さに比べて、あまりに短い間でしかないのだ。

 その意味では、2014年に起きた長野県・白馬村の地震と似ている。この地震はM6.7。こちらは「糸魚川-静岡構造線」という、やはり長大な活断層群で起きて、日本人がはじめて大きな被害を受けた地震だった。この地震は神城(かみしろ)断層という糸魚川-静岡構造線の一部の活断層が起こした。なお、気象庁はこの地震には名前をつけなかったので、長野県北部地震とも呼ばれている。

 ところで、このような長大な活断層群では、日本列島全体がいくつかのプレートに押されることによって、それぞれの小部分ごとに地震を起こすエネルギーが溜まっていっている。そして、岩が耐えられる限界を超えると地震が起きる。つまり地震が起きることによって、溜まっていたエネルギーが解放されるのである。

 そして、ある部分で地震が起きたことは、同じような理由でエネルギーが溜まっているその隣の部分にとって「留め金が外れた」ことを意味する。つまり、地震が起きた部分の隣で、地震が起きやすくなるのである。

 今回、中央構造線のうちの熊本の部分で地震が起き、2日後に阿蘇に、そして大分に、と地震が広がっていったのは、この理由なのではないかと考えられる。
大分自動車道を覆う土砂崩れ=4月16日午後、大分県由布市(共同通信社機から)
大分自動車道を覆う土砂崩れ=4月16日午後、大分県由布市(共同通信社機から)
 もちろん、「隣の部分」に、まだ十分の地震エネルギーが溜まっていなかったら、この連鎖は起きない。残念ながら、いまの地球物理学では、地下にどのくらいの地震エネルギーが溜まっているかは分からない。

 ところで、心配なのは、連鎖が起こっていった熊本、阿蘇、大分の次にあるのは愛媛なのである。ここには、中央構造線のすぐ近くに伊方原発がある。また、逆に熊本から南西に中央構造線をたどると鹿児島県に入る。ここは川内原発からそう遠くはない。

 地球物理学者としては、「連鎖の次」を恐れているのである。

相前後して起こる火山噴火と大地震

 4月16日、阿蘇の近くで大きめの地震が起きた同じ日に、阿蘇は1ヶ月ぶりに噴火した。ただし、大きな噴火ではなかった。

 地震と火山は両方とも地下でプレートがらみ、あるいはその結果としての活断層がらみで起きる現象だから、なにかがつながっているのに違いないのだが、残念ながら現在の地球物理学では、地震と火山がどうつながっているかはわかっていない。

 地震は活断層に地震エネルギーが溜まっていき、その岩が耐えることが出来る限界を超えると起きるという、いわば直接的な関係である。

 これに対して、火山の場合には、マグマが地下で作られる。だが、そのマグマがそのまま上がってきて噴火するわけではなくて、上がってくるときにいくつかの「マグマ溜り」を作りながら上がってくる。そして、いちばん上にあるマグマ溜りのなかで圧力が高まってマグマが地表に噴出するのが噴火なのである。つまり火山噴火は間接的な関係なのである。

 しかし、世界的に見ても火山噴火と大地震が相前後して起きた例は多い。たとえば、1707年に巨大地震である宝永地震が起きた49日後に、富士山の宝永噴火があった。他方、噴火が地震よりも先だった例もある。


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