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宇宙

571とはずがたり:2014/04/10(木) 18:38:05
>>570-571
 以上は、ネット上にある情報の紹介だ。このあとで、いろいろと考えたので、私の見解を示す。
 私の見解(仮説)は、次の通り。

 ゲノム・インプリンティングという機構があるのは、異種間の交雑を発生させないためだ。
 もし異種間の交雑があれば、その種としては、父母の片側だけからしか遺伝子を得られない。したがって、ゲノム・インプリンティングという機構のせいで、個体発生は正常に行なわれない。つまり、個体発生が失敗したせいで、胎児は流産する。つまり、ゲノム・インプリンティングは、異種間の交雑を失敗させるためにある。(交雑種である個体の発生を防ぐためにある、とも言える。ごく近縁である場合以外は、これが成立する。)

 ではなぜ、異種間の交雑を防ぐ必要があるのか? それは、退化を起こさないためである。以下では例示的に示そう。
                        画像の出典
neanman.jpg  たとえば、早期ネアンデルタール人から、早期ホモ・サピエンスが誕生したとする。ここで、ゲノム・インプリンティングという機構が働かなければ、両方の交雑種が発生する。結果的に、両者は亜種のような関係が起こって、たがいに遺伝子の流動が起こる。そのせいで、早期ホモ・サピエンスの集団には、早期ネアンデルタール人の集団から、たえず遺伝子の流入が起こるので、いつまでたっても、早期ホモ・サピエンスを独立した種として確立することができない。早期ネアンデルタール人の遺伝子プールから「離れよう、離れよう」としても、早期ネアンデルタール人の遺伝子プールから次々と早期ネアンデルタール人の遺伝子が流れ込んでくるので、いつまでたっても離脱できない。
 ところがあるとき、早期ホモ・サピエンスの集団の一部で、ゲノム・インプリンティングという機構が働くようになった。こうなると、次の二通りに区別される。
  ・ 同じ早期ホモ・サピエンス同士の交雑  → 子が生まれる
  ・ 早期ネアンデルタール人との異種間交雑 → 子が生まれない
 こうして、前者では子が生まれて、後者では子が生まれなくなる。結果的に、早期ホモ・サピエンス同士の交雑だけが成立するようになる。かくて、早期ホモ・サピエンス同士だけで、種が確立する。

 要するに、こうだ。「種が異なると、交雑できない」のではない。その逆に、「たがいに交雑することができなくなると、新たな種が確立する」のである。それがゲノム・インプリンティングという機構の役割だ。
 つまり、ゲノム・インプリンティングという機構の役割は、「新たな種を確立させるため」(新たな種を成立させるため)なのである。

 ではなぜ、「新たな種を確立させること」が必要なのか? 実は、ここでも話が逆である。「新たな種を確立させるため」に、ゲノム・インプリンティングという機構が成立したわけではない。ゲノム・インプリンティングという機構が成立した場合に、「新たな種を確立させること」が可能になったのだ。
 ここで注意。ゲノム・インプリンティングという機構は、「新たな種を確立させるため」に、必要不可欠であるわけではない。この機構がなくても、新たな種が発生することはある。特に、哺乳類以前では、しばしば起こっている。
 ただし、ゲノム・インプリンティングという機構があると、「新たな種を確立させること」が容易になるのだ。そして、その意味は、「進化を容易にすること」である。(ここでは、「新たな種を確立させること」と「進化」とは、ほぼ同義である。)

 ここまで理解すれば、本質は明らかだろう。有袋類と有胎盤類(単孔類は除く)には、ゲノム・インプリンティングという機構が備わっている。それだからこそ、「新たな種を確立させること」が容易になり、「進化」が容易になったのだ。
 つまり、ゲノム・インプリンティングという機構が備わったからこそ、哺乳類[有袋類と有胎盤類]は、他の動物とは違って、急激に大幅な進化をなし遂げたのだ。


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