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宇宙

1206とはずがたり:2020/05/23(土) 10:02:22
>>1205
このような巨大ブラックホールの蒸発が始まる時刻は、以下のように推定されている。現在最も有力な宇宙モデルでは、現在の宇宙は宇宙定数が優勢な加速膨張期にあると考えられている。このような加速膨張時代には、時刻 t での宇宙のスケール因子 {\displaystyle a(t)}a(t) は以下の式に従う。

{\displaystyle a(t)\propto e^{{\sqrt {\Omega _{\Lambda }}}H_{0}t}}a(t) \propto e^{\sqrt{\Omega_{\Lambda}} H_{0} t}

ここで {\displaystyle \Omega _{\Lambda }}\Omega_{\Lambda}:宇宙定数の密度パラメータ ({\displaystyle \simeq 0.7}\simeq 0.7)、{\displaystyle H_{0}}H_{0}:ハッブル定数 ({\displaystyle \simeq 71{\rm {km}}{\rm {s}}^{-1}{\rm {Mpc}}^{-1}}\simeq 71 {\rm km} {\rm s}^{-1} {\rm Mpc}^{-1})。

この式より、宇宙のサイズが今の1019倍になるのは約7300億年後と見積もることができる。従って銀河質量クラスの巨大ブラックホールが形成される頃には、宇宙はこのような巨大ブラックホールでも蒸発できるほど十分低温になっている。

ブラックホールの蒸発が始まってから全て蒸発し尽されるまでには長い時間がかかる。太陽質量程度のブラックホールの蒸発時間は約1067年である。蒸発時間はブラックホールの質量の3乗に比例するため、銀河質量クラスのブラックホールが蒸発し尽くされるには約10100年かかる。

放射のみの宇宙
ブラックホールが全て蒸発した後には、宇宙背景放射の光子とブラックホールの蒸発で生まれた光子だけが宇宙を満たした状態になる。この時代の宇宙は絶対零度に限りなく近いため、光子のエネルギーは非常に低い。よってこれらの光子から再び物質粒子が生成されることはあり得ず、放射のみが存在する宇宙が指数関数的に膨張していき、絶対零度に向かって永遠に冷却し続けることになる。

この極低温の状態はビッグフリーズ (Big Freeze) やビッグチル (Big Chill) などと呼ばれている。これは19世紀に考えられていたエントロピー増大の過程とは別の物理過程の結果生じるものであり、いわゆる熱的死とは別の状態である。


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