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宇宙

1184とはずがたり:2019/10/30(水) 14:46:11
鉛が安定の理由をめっけた!

マジックナンバーかっ!!

「日々の理科・田中」(第137号)2014 (H26),11,-4「崖っぷちのビスマス」
http://www.kitakaruizawa.net/rika/2014_1104-137-bithmus.pdf

原子核中の「陽子の数」または「中性子の数」が2個・8個・20個・28個・50個・82個・126個の時、その核種は非常に安定することが知られています。これを「マジックナンバー」といいます。陽子数でいうと、ヘリウム2He、酸素8O、カルシウム20Ca、ニッケル28Ni、錫50Sn、鉛82Pbの順になります。たとえば錫50Snには、中性子数が62個から74個まで、10種類もの安定同位体が存在します(最多は70個)。鉛208Pbは、中性子の数も126個ですから、陽子数・中性子数どちらでも安定で、「不動の座」というわけです。ビスマス209Biは、陽子数が83個なので、鉛に比べると原子核の安定度は低くなります。しかし、中性子数は126個で「マジックナンバー」なので、安定元素の仲間入りをしているというわけです。

しかしそのビスマスも、以前から「あいつ、実は放射性元素なんじゃね?」と疑われ続けてきました。周期表上でこんな崖っぷちにいれば、当然のことでしょう。しかし、ビスマス本人は、「いいえ、わたくしは安定元素びすザマス。そんなこと疑われたら、迷惑びすザマス。」と、発見以来250年以上もシラを切り通してきました。

ところが、ついにビスマスの化けの皮がはがれました。非常に精密な測定の結果、209Biが極めて長い半減期を持つ放射性同位体であることがばれてしまいました。2003年のことです。しかしその半減期は、何と1.9×1019年(約1900京年)!!宇宙年齢の10億倍近くも長いのです。10グラムのビスマスが、α崩壊してタリウムに化け、5グラムになるのに1900京年かかるのですから、ほぼ完全な安定元素・・・むしろ「ビスマスは安全です」と宣言してもらったようなものです。

鉛はビスマスに文句を言っていましたが、最も重い安定元素(同位体)の座をビスマスから奪い取ったことになります。ところがその鉛も、最近の研究で、安定同位体はないのでは・・・?と疑われ始めています。そう考えていくと、すべての元素に安定同位体は存在しない・・・かも?

(お茶の水女子大学附属小学校田中千尋)


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