したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

東京都議選スレ

5483とはずがたり:2016/07/17(日) 10:24:34


 東京都は首都でありながら、いや、首都であるがゆえに日本の政府と非常にデリケートな関係にある。地方出身の政界の実力者は一般に、東京都を“富裕団体”とみて財源を取り上げようとする。これに対して都民は、貨幣経済上の統計に表れた数字とは別に、地方都市の人たちの方が生活の豊かさを享受しているように感じているようだ。都知事は、この意識のギャップを巧みにくみ取らないと務まらない。

 猪瀬、舛添両氏の共通点は、それぞれの場面で都政に「君臨」したがっていたようにみえる点である。これまた本人からは決してそんなことはないと反論があるかもしれないが、少なくとも、君臨したがっているように勘違いされる傾向がある。

 君臨しようとする人は都政には向かない。なぜなら、都知事の職は、勝手なことはできないように、精緻に出来上がった民主主義的な機構の上に成り立っている。職員は警察、消防、教員から交通、上下水道そしていわゆる知事部局合わせて16万人以上いるが、それぞれ試験を通って採用される。管理職への昇進もそれぞれの分野で試験制度がある。欧米のような政治任命の制度は原則としてない。あっても特別秘書などに限られる。

 予算も、綿密な検討を経て編成され、ひと月以上の議会審議を経て決定される。東京都に限った話ではないが、条例も都議会の議決を経て成立する。副知事も議会の承認が必要である。舛添知事が辞職した同じ日に副知事4人の選任が議会において同意されているが,「辞職する知事が提案するのはおかしい」という人はいない。知事が恣意的に決められない事柄が多いのである。

 石原知事がディーゼル車排ガス規制を宣言したのは1999年3月の立候補会見、都議会で条例が成立したのが2000年12月、実施が03年10月だから実に4年半かけている。その間に粘り強く業界を説得し、世論にアピールし続け、周辺県の同調を得る努力を重ねたのは記憶に新しい。

海外から尊敬される人物を

 東京都知事になったからといって、ただちに強大な権限が手に入るわけではない。重大な責任を負うことになったと理解すべきである。知事は権力者でなく責任者である。職員は、知事に対して強いロイヤリティー(忠誠心)をもっている。とことん尽くす。しかしそれは子分になるということを意味しない。都民が選んだ知事だからである。子分を集めてお山の大将になりたい人は都知事に向かない。議会との間でも職員との間でも適度な距離感を保ち、適度な緊張関係にあることが望ましい。

 大学の法学部法律学科を卒業した人でもふつう、民事訴訟法や刑事訴訟法は学んでも地方自治法や地方公務員法は教わらない。東京都知事の権限と責任は地方自治法その他によって厳密に規制されている。そもそも国は議院内閣制だが、地方自治体の首長と地方議員は住民によってそれぞれ直接選挙で選ばれる二元代表制。都知事と都議は互いにインディペンデント(独立)である。

 東京都政は特に、特別区をもち、政令指定都市をもたないから他の道府県知事と制度がかなり違う。都知事になった人はまず、この点を理解しないと仕事ができない。

 都知事は、ひとことでいえば東京都の最終的な決定者であると同時に対外的な代表者である。東京は世界的な存在だから、当然、海外に行く機会は多い。20年オリンピックを控えているからなおさらである。

 舛添知事の海外出張が多すぎる、多額な費用をかけていると批判されたが、海外に対するシティーセールスや政策交流は都知事の重要な職務である。経費の使い方については改善すべきと思うが、海外諸都市との交流は、今後ますます重要となっていく。対外的に恥ずかしくない知事を選ぶべきだ。海外の人が日本人を尊敬するのは語学でなく、人品骨柄に対してである。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板