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近現代史綜合スレ
866
:
名無しさん
:2016/07/31(日) 15:08:20
>>865
―史実通りに進んでも面白いのは、戦後の復興から日本が成長している時代だからでしょうか?
大和田 あと景気がいいですよね、この時代は。
―42ヵ月間続いた好景気の岩戸景気(1958年7月〜1961年12月)もありますしね。前作の『ムダツモ無き改革』で現代を描いている先生なら、調べて描き比べて過去の景気の良さや勢いが肌感覚でわかるかと思いますが…。
大和田 そうですね。だって、舛添(要一)さんってトータル数百万円の世界ですよね。『ホテル三日月』に泊まった、泊まらないって…角栄さんと比べると、みみっちいなぁと(笑)。
―最近の政治家と比べると、この時代の政治家は総じて魅力的ですかね?
大和田 皆が亡くなって随分と経ったことを考慮しても、今の人よりエネルギッシュでしょうね。国会で「バカヤロー」と言う人も今はいないでしょう。
―そんな元気な時代だから、読むことで読者の活力にもなるように思えますが、先生自身も?
大和田 僕は描いていて、全部が面白いです。池田勇人の失言「中小企業経営者の5人や10人、自殺してもかまわぬ」(※1)や昭和電工事件(※2)など名前だけ知っていた歴史上の事件を〝コレはこういう事件だった〟と描くと満足感がありますね。
※1)朝鮮戦争の特需が後退して中小企業の倒産が続いていたころ、通産大臣だった池田の衆院本会議(1952年)での発言「正常な経済原則によらぬことをやっている方がおられた場合において、それが倒産して、また倒産から思い余って自殺するようなことがあっても、お気の毒でございますが、止むを得ないということははっきり申し上げます」を、新聞が言葉尻を捉えて報道した。
※2)1948年に起きた贈収賄汚職事件。復興金融金庫から融資を引き出すために、昭和電工の日野原節三社長が政府高官や政府金融機関幹部に対して収賄し、GHQ高官らも失脚した。
―そんな史実のホントも含めて、今後の展開も気になるところですが…。
大和田 まだまだ歴史上のスーパースターや、戦後の日本復興と高度成長期に関わる(アメリカ大統領の)ケネディ、アイゼンハワー、ニクソンなども登場して、おなじみの歴史上の話も出てきます。
―連載中のエピソードでは池田勇人はまだ通産大臣ですが、池田内閣も発足して…続きますね!
大和田 それはもう読者様の反応次第で…僕はどこまでも描きたいんですけど、厳しい世界でシビアに切られる時もありますから(笑)。
(取材・文/渡邉裕美 撮影/松井秀樹)
■大和田秀樹(おおわだ・ひでき)
マンガ家。98年、『たのしい甲子園』(角川書店)でデビュー。代表作は『ムダツモ無き改革』(竹書房)、『機動戦士ガンダムさん』(角川書店、連載中)。『週刊モーニング』で連載中の『疾風の勇人』(講談社)、第2巻は8月23日発売予定。
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