したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

近現代史綜合スレ

706名無しさん:2015/11/02(月) 22:58:25
>>705

●一本橋を悠々と渡った横井さん

 横井さんの発見時に話を戻そう。

 デグラシアさんは「不測の事態」に備えて、横井さんを後ろ手に縛り、安全な場所に保護しようとした。

 「発見現場から400メートルほど離れた畑に、私のジープを駐車していました。それに乗せて自宅まで連れていこうと思いました」(デグラシアさん)

 横井さんは空腹を我慢できなかったのか、「食べもの、ある?」と日本語で尋ねてきたという。

 デグラシアさんは、息子が携帯していたパンケーキを横井さんに食べさせた。

「パンケーキは口のなかでパサつくから、一口食べただけで、それ以上は食べなかった。水も飲ませてあげました」(同)

 印象に残っている光景もある。ジープを止めてある場所に行く途中、丸太で作った“一本橋”を渡ったときの出来事だ。デグラシアさんは縛られたままでは横井さんが渡りにくいと思い、縄を解こうとした。

 だが、横井さんは後ろ手のまま、身軽に橋を渡っていった。その姿を見たデグラシアさんは、横井さんの身体能力の高さに驚いたという。

「手を縛られたまま、軽々と渡っていくので、たいへんびっくりしました。現地の人でもこわごわ渡っている橋でしたから」
 横井さんを乗せた車が自宅前に着くと、音を聞きつけた子供たちが家から飛び出してきた。

 「獲物は捕れたの?」と子供たちが目を輝かせて尋ねると、「これが獲物だよ」とデグラシアさんは横井さんを指さした。

 子供たちが不思議そうに見つめながら、「この人、誰なの?」と尋ねると、「名前は知らない」とデグラシアさんは答えたという。

 その後、ロープを切って横井さんを家の中に招き入れた。デグラシアさんは横井さんがおなかを空かしていると思い、家族に食事の支度をするように指示した。

 目の前に出されたのは、牛のテールスープと白米、マカロ(アジに似た魚)のスープなどだった。

「白米はペロッと平らげたけど、テールスープの牛肉は残していました。牛肉は口に合わなかったようですけど、マカロのスープは魚も全部食べました」

 デグラシアさんは、日本兵を捕まえたことを伝えるため、タロホホ村の村長がいる事務所に出向いたが、村長が通夜で不在だったため、場所を教えてもらい、村長の行き先に向かった。

 通夜に出席していた村長を呼び出して、日本兵を保護したことを伝えた。だが、まったく信じてもらえなかったという。

「村長は『ウソだろ』と言って、なかなか信じてくれなかった。私が『本当ですよ』と強く言うと、村長は非常に驚いていました」

 デグラシアさんは、横井さんから事情を聴くため、村長の事務所に連れていった。通訳として、現地住民と結婚した沖縄出身の女性に協力を仰いだ。警察や政府など関係各所に連絡すると、パトカーや白バイが村長の事務所に集結した。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板