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近現代史綜合スレ

653名無しさん:2015/10/03(土) 14:01:28
>>652

かみ合った日本、中国双方の対応
白石 懇談会の議論でのキーワードは「謝罪」ではなく「和解」だった。そこは大きな合意があった。

細谷 そういった意味では1998年の日中共同宣言に戻ってきたと思う。この時の宣言は日中関係を前に進めようという、かなり強い意志があった。今もまた、日中両国とも関係を前に進めようという意志が色濃くみられている。

双方の努力によって歴史和解を進める。そして、その和解を基礎として、現代の2国間関係を好転させる。おそらくこのサイクルを日米、日豪、日英などでやってきたということを談話で強く示唆することによって、当然ながらこれを日中にも、もちろん日韓にも応用可能だということが、「和解」という言葉を強調した大きな意味だと思う。それが私は、今後の日中関係や日韓関係にも効果を持つのではないかと思う。

川島 98年の日中共同宣言というのは、実は「日本側が今後村山談話を順守」すると言っている。また98年の江沢民の訪日は、覚えていると思うが、あれは日本国内からの不満が強く(※2)、共同宣言の文章は素晴らしいが、日中が融和する気にならなかった。その後、2007年4月12日に温家宝が日本の国会で演説をして、そこでこれまでの日本の歴史問題への取り組み、村山談話と小泉談話を評価した。だが、その当時、日本の自民党政権は1年ごとに首相が交代する状況で、中国からのメッセージにきちんと対応することができなかった。

そういう意味では98年、2007年ともに日中の対応はちぐはぐというか、ちょっとかみ合っていなかった。今回は細谷さんがおっしゃるように、日本が安倍談話を出して、9月3日に習近平が割に日本を批判せずに、平和国家中国を強調した。そうした意味では今回、日中はお互いようやくかみ合ったという感じだ。

今後の対中国・韓国関係と歴史問題
――ただこれから先、逆に東アジアは緊張関係がかなり高まっていく流れもある。南シナ海も全然決着がついていない。その中で今回の談話の意義をどう考えればいいのか。今後、日本がアジアの中で生きていく中で、この歴史問題と安倍談話が、どのような意味合いを持ってくるのだろうか。

白石 歴史問題というのは、基本的に現代の問題だと考えた方がよい。例えば、かつて中曽根政権の時には、靖国参拝は憲法の問題だった。しかし、今では完全に外交の問題になっている。重要なことは、日本政府の要人、特に首相、大臣の職にあるような人たちが不用意なことを言ってはいけない、ということだ。「首相談話を出したが、結局、本音は違うじゃないか」といった議論にまたなることのないよう、できる限り注意したほうがいい。

中国の指導者は非常に戦略的に外交関係を考えているので、日本の政治家が不用意なことを言ったり、したりすれば、モラル・ハイ・グラウンド(道徳的な高み)を占めようとはするだろう。しかし、国内問題もあり、このカードをあらゆる機会に使うといったことはなかなか考えにくい。

韓国にとっては、このカードは非常に使いやすい。国民的に「日本はけしからん」という空気があるので、政府もあらゆる機会に使おうとするだろう。韓国はいま、非常に大きな戦略的選択のプロセスにある。安全保障においてはアメリカ、中国とうまくやっていればそれで十分、経済的には中国への輸出が鍵となっている。したがって、これからの韓国の安全保障を考えても経済発展を考えても、アメリカのリバランシングに引っ張り込まれて、アジア太平洋の安全保障のネットワーク化のようなことに関与して、中国から警戒されるのは避けたい。歴史認識の問題がある「日本が悪い」と言って、事実上G2との関係をうまく管理することで、安全保障と経済発展の両方を達成しようという戦略的な選択をしようとしているように見える。日本としても、クールに対応するしかない。


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