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食品産業総合スレッド

1319とはずがたり:2014/01/28(火) 00:17:07
>>1318-1319
 英国調査会社IWSRの調査によると、12年の世界の蒸留酒の市場規模は約1711億ドル(約17兆9655億円)で、2年連続6%成長。日本市場は約71億ドル(約7455億円)で3%成長。一方、国内のビール市場はここ数年縮小が続いている。現在、蒸留酒で世界10位のサントリーHDだけが、国内酒類会社で蒸留酒の世界市場に挑戦できる基盤を持つ。

 同社は国産洋酒(蒸留酒)で成長したが、高度成長期の日本でビール市場が隆盛するに当たり63年に再参入(30年に一度参入したが後に撤退)し、会社の規模を拡大。黒字転換する08年まで主に蒸留酒事業の利益が支えた。今日国内のビール市場が頭打ちの中で、将来を見越して、成長する世界の蒸留酒市場に注力していく戦略だ。

 すでにサントリーHDは13年から国内でジムビームの販売代理権を持ち、ビーム社もシンガポールなどの東南アジアでサントリー商品を販売している。統合により、現在海外での売り上げが少ないサントリー酒類の製品も、ビーム社ルートでの販売が期待できる。

成功体験がなく
法令の影響が大きい
酒類分野での買収

 今後の注目ポイントは何といっても「自らの事業規模よりも大きい規模の、これまで経験のない形の買収を成功させることができるか否か」に尽きる。

 12年通期のサントリーHDの蒸留酒事業の売上高は2394億円で、ビーム社は3224億円(ともに酒税込み)と、事業規模はサントリーよりも大きい。

 さらにサントリーHDは日本のウイスキー市場においては約60%のシェアを握る最大手だが、海外での酒類事業は小さい。M&Aも89年に149億円で買収した英国スコッチウイスキーメーカーのモリソン・ボウモア社、04年に20億円を投じ資本参加したフランスのルジェ・ラグート社くらいだ。

 ペプシやオランジーナなど、飲料部門では海外M&Aで成功体験を積み、自信をつけているだろうが、「酒類は食品・飲料に比べ、各国の法令の影響に大きく左右され事業の自由が利かなくて、難しい」(大手ビール会社幹部)。

「ビーム社のキャッシュフローによりD/Eレシオは今後改善していくことが期待できる」とサントリーHDでは見込むものの、もくろみ通り進むかどうかは未知数だ。事業が予測より下振れすれば、のれん代の減損処理も必要になってくる。

 また、ビーム社はアメリカンウイスキーでは米国首位クラスではあるものの、下表でもわかるように、ブランドごとの強さという点では世界的に見て必ずしもトップではない。

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 今回の買収による負債の増大を見越して、ムーディーズ・ジャパンは14日、現在「A3」のサントリーHDの格付けを格下げ方向で見直すと発表した。

 自社の歴史の中ではもちろん、国内でも他に例を見ない巨額M&Aを成功させることができるか否か。うまく成功させれば、次代に成長基盤を引き継ぐことで、引退を示唆している佐治社長の花道を飾ることになるが、失敗すればグループ経営の屋台骨を揺るがしかねない。“佐治サントリー”は最後にして、最大の賭けに出た。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)


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