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化学・薬品産業総合スレッド

937荷主研究者:2012/01/08(日) 00:54:24

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2011/12/22-4854.html
2011年12月22日 化学工業日報
生かしたい実験動物施設の復旧経験

 東日本大震災から9カ月余を経過した。復旧・復興に向けた取り組みが動き出すなか、実験動物施設が被災した東北大学による報告が関心を集めた。施設は甚大な被害を受けたが、早期復旧できたのは、耐震に細心の注意を払った東北大独自のマニュアルに加えて、作業にあたったボランティアの貴重なバイオリソースを何とか存続させたいとの熱意があったからという。新薬の効果や化粧品など新規化合物の機能性評価の研究開発で、陰に隠れがちだが実験動物は不可欠であり、生命科学研究の生命線を握っているといっても過言ではない。新薬や化合物の開発は、日本を除くと欧米の比率が圧倒的に高い。このため基礎研究や安全性試験に大きな役割を果たしてくれる実験動物の飼育施設の管理運営についても、地震のほとんどない欧米方式が世界のスタンダードとなっている。地震の発生は予測しにくいだけに、今回の教訓は国内だけでなく世界に向け発信してもらいたい。

 報告によれば、東北大では震災翌日から施設関係者の復旧に向けた戦いが始まった。ただ、大学院医学研究科の付属動物実験センターが管理する動物施設に直接的な被害が軽微だったのは、1978年にこの地域を襲った宮城県沖地震の経験から学んだことを地震対策に盛り込み、実践していたことが大きかった。代表例は中央棟5200平方メートルと、臨床分室1000平方メートル2カ所。中央棟のケージを収めたラックは、天井や床にストッパー、固定具により242台のうち、転倒は2台だけで済んだ。遺伝子改変動物の逃亡もなく、3月28日には復旧宣言できたという。

 電気と水は震災翌日に復旧したが、問題となったのがガスの供給。ガスから蒸気の配給を受けていたオートクレーブ機能が停止し、SPF(特定病原体がない状態)が崩壊してしまった。すべての実験動物の生存を維持させることは難しくマウス、ラットは3割削減せざるを得なかった。蒸気の重要性が再認識され、施設内でガスを供給する方法を確立することが課題として残った。

 実験動物飼育は、研究者のみならず職員、ボランティア、外部協力に助けられた。なかでも��階建て最上階にある臨床分室はエレベーターが使えず、毎日飲用水を背負って運んだというのだから頭が下がる思いである。東北大はじめ、被災施設責任者の記した記録がアドスリーから出版された。マニュアルの重要性は当然ながら、早期復旧に関係者の気持が一つになったことで、バイオリソースを保つことができるという貴重な報告を後世に伝える意義は大きい。


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