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化学・薬品産業総合スレッド

907荷主研究者:2011/10/10(月) 23:17:35

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2011/09/22-3660.html
2011年09月22日 化学工業日報
【震災とサプライチェーン】(14)合成ゴム
合成ゴム タイト化に拍車 供給確保、グローバルに

 合成ゴムおよびエラストマーは、他の素材にはないユニークな特性から自動車用途をはじめ履物や衣類など生活用品分野、建築・土木資材分野、製紙・合成樹脂分野などに不可欠の素材として幅広く浸透。近年は新興国の経済成長を背景とした需要の伸びから、世界的に需給バランスはタイトな状況にある。とくにエチレン・プロピレンゴム(EPDM)は世界需要120万トンに対して供給量が110万トン程度で推移しており、東日本大震災はひっ迫する市場を直撃した。

 鹿島地区では、被災によりコンビナートから原料や蒸気などユーティリティーの供給がストップ。そのためJSRの鹿島工場と熱可塑性エラストマーを製造するクラレの鹿島事業所が停止したほか、JSRグループのJSRクレイトンエラストマーおよび日本ブチルも供給に支障をきたした。また、火災事故が発生した千葉コンビナートでも宇部興産のブチルゴム(BR)のプラントが停止を余儀なくされた。

※加工メーカー苦境※
 被災直後から加工メーカーなど需要家は海外品の調達などに動き出したが、需給タイトな市場環境下で量の確保は難しく、とくに特殊グレードは代替品を探すことすらままならず、中小の加工メーカーでは原材料がショートするところが出た。しかも、3月中は震災の影響で最大の需要分野である自動車生産が停止しているにもかかわらず、生産再開を見越した在庫積み増しなどを理由に多くの製品で需要が震災前の水準で推移。このため世界的に需給タイトなEPDMやタイヤ向けに需要好調なBRで急速にひっ迫感が高まった。

※グループ拠点活用※
 こうした状況のなか、操業停止を余儀なくされた各社も供給責任を果たすべく最大限の出荷対応に注力。3月19日から通常の半分程度の稼働ながら操業を開始した宇部興産は、在庫による出荷対応を図りつつ4月16日にはフル稼働に復帰した。生産再開を5月20日のコンビナート復旧まで待たなければならなかった鹿島地区でも、JSRが在庫対応とともにEPDMの供給ではグループの韓国・錦湖ポリケムに、ハロゲン化ブチルや熱可塑性エラストマーでは合弁相手先に支援を要請し製品確保に努めたほか、クラレも「プラントの定期検査に向けて積み増していた」在庫で対応する一方、汎用グレードの供給を米国拠点に切り替えるなどの対策をとった。

 震災発生から約半年が経過、各工場とも生産を再開し供給量も回復してきた。しかし、正常化までには「グレード数が多く、適正在庫の積み増しなどに年内いっぱいかかる」(JSR)と製品によってはなお時間を要する見通しだ。

※海外で増強を推進※
 今回の経験を生かし、JSRはEPDMのグレード統合や複数拠点でのユーザー認定の取得などを進める方針。クラレは「差別化・高機能化こそ競争力」であることから、非常時に備えて在庫水準を見直しする方向で検討する考えだが、「千葉・タイ・南通のコミュニケーションの緊密化によりグループ全体で最適な生産体制を追求する」(宇部興産)というように、各社共通するのはグローバル体制の強化だ。すでに震災前から宇部興産は千葉および中国でBRの、JSRも韓国でEPDMの増強投資を進めており、クラレは新たに米国で第2ラインの建設に着手する計画。いずれも拡大する世界需要に対応することを主目的としているが、体制の拡充・最適化を通じて為替や需要変動を含めたリスク対応力の向上につなげたい考え。
(了)


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