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化学・薬品産業総合スレッド

364荷主研究者:2008/11/30(日) 23:58:08

http://www.business-i.jp/news/special-page/jidai/200810150002o.nwc
三菱化学(1)脱石油戦略の収益源 地球とともに生き残る
2008/10/15

農業用途が「GSプラ」の主要顧客。今後、量産にメドが立てば、フラットパネルディスプレーなど先端製品に搭載される見通しだ

 粗製ガソリンのナフサを樹脂原料のエチレンなどに分解し、プラスチックに代表される石油化学製品の基礎原料を作る国内石油化学各社。景気減速による国内需要の低迷に加え、アジア各国での大型新規プラントの稼働によって、国際競争力の低下は深刻だ。高付加価値品や“脱石油”に向けた取り組みが加速するなか、三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱化学は、埋めれば土に返る植物由来の生分解性プラスチックを新たな収益源とするため、早期の事業化に乗り出した。(飯田耕司)

 ◆「非枯渇資源の活用」

 「資源、環境に貢献していない化学会社は淘汰(とうた)されて生き残れない」

 三菱ケミカルホールディングス社長の小林喜光社長(61)は、危機感をあらわにする。今後、世界が市場経済原理から公共利益や環境重視にシフトしていくとみているためだ。

 こうした動きを見据え、小林社長の号令のもとに今年5月、「2025年のありたい姿と2015年にあるべき姿」を描く中期経営計画を策定した。この中で、「資源・環境」「健康」「快適」という3つのテーマを企業活動の判断基準に設定。生き残りを図るための重点項目とした。石油化学分野では将来的に石油が枯渇することを考慮、「非枯渇資源の活用」に軸足を置くことを決めた。

 「早期の脱石油分野の収益源に」−。小林社長が期待をかけ、脱石油のトップバッターとして重責を担うのが「GSプラ」というポリエステル樹脂だ。

 同樹脂の原料はナフサ。これを切り替え、植物に含まれる、でんぷんの発酵技術を活用してできる「コハク酸」などを原料とする。2015年までにすべての原料を、植物に切り替えていく計画だ。

 ナフサ原料のGSプラも、土や水中に生息する自然界の微生物によって、最終的に水と二酸化炭素(CO2)に分解される性質を兼ね備えていたが、「非枯渇資源という側面を考えた場合、1年程度で成長する植物を使った方が、より環境に貢献できる」(森知行・石化開発部門長)というのが植物への転換を進める理由だ。また、地下に閉じこめられていた化石資源を燃やして発生する二酸化炭素と異なり、「植物を使えば大気中の絶対量を増やすものではない」と森部門長は、その意義を強調する。

 現在、東南アジアを筆頭に、植物の成長が早い熱帯地域に用地を取得する方向で検討に入っており、早ければ実証プラントを建設する2010年にも植物の生産に取り組む。植物については、選定中だが、「食用の植物であれば、茎や葉の部分を使いたい」(森部門長)としている。

 ◆GSプラが大きな武器

 その一方で、環境に優しいという特性のみにとどまらないのがGSプラの特徴だ。

 光に関する特性がナフサ由来に比べて優れているのが特徴で、量産にメドが立てば、農業用途や生ゴミのポリ袋などの用途だけではなく、高度材料として、フラットパネルディスプレーや太陽電池などに搭載されることになるとみている。現在、植物由来の樹脂は、ポリ乳酸もあるが、固い成型品に向いていない。「『GSプラ』は、競争力という観点からも優れている」と森部門長は自信を示す。15年には数百億円の売り上げをもくろむ。

 「日本のお家芸でもある高度な産業を支える部材に」−。森部門長が意気込むように、GSプラは、三菱化学だけでなく国全体にとっても貴重な“収益源”となりそうだ。

                   ◇

 三菱ケミカルホールディングスが誕生したのは、今から3年前の2005年10月。三菱化学と子会社の三菱ウェルファーマが、共同持ち株会社を設立し、両社が完全子会社として傘下に入った。持ち株会社の下でグループの医薬品事業を効率的に展開。経営判断の迅速化を進め、競争が激しさを増す化学業界での生き残りを図るのが狙いだ。

 当時、三菱化学の社長だった冨沢龍一・三菱ケミカルホールディングス現会長は「できるだけ早く三菱ウェルファーマを国際的な企業に成長させたい。他社との提携など大きな施策に、スピードをもって取り組みたい」と語っていた。

 その後、07年10月に田辺製薬と三菱ウェルファーマが合併し、売上高で国内6位の「田辺三菱製薬」が発足。グループ会社だった三菱樹脂も上場廃止して持ち株会社の傘下に入った。

 現在の売上高は約2兆9000億円(08年3月期)。国内最大の総合化学メーカーとなっている。このうち、三菱化学の売上高は2兆5000億円を占めている。


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