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化学・薬品産業総合スレッド

2173荷主研究者:2019/01/01(火) 15:19:18

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00497868?isReadConfirmed=true
2018/11/30 05:00 日刊工業新聞
深層断面/三菱ケミカル、3つの課題 新体制から半年

 三菱ケミカルは今、三つの課題に直面している。自動車など主要顧客の産業構造の大転換と、海洋汚染に端を発するプラスチックゴミ問題、そして石油化学市況の変調だ。4月に就任した和賀昌之社長が対応を誤れば、所信表明で掲げた「収益性の向上」とは真逆のジリ貧になりかねない。4代ぶりの事務系トップが独自色をどう発揮するか。新生・三菱ケミカルの現在地を探る。(鈴木岳志)

産業構造転換―電池材料に危機感/クルマ大変革“情報”が命

EV化で活況なはずのリチウムイオン二次電池材料だが、性能・コスト面の要求は厳しい

 三菱ケミカルの和賀社長は事業部門長に対して、週4社以上の取引先回りを“ノルマ”に課す。そして翌週にはその結果を報告させるほど「営業改革」に力を入れる。情電・ディスプレイ部門を見る滝本丈平常務執行役員は、「こんなに愚直に営業と言う社長は今までにいなかった。大きな違いだ」と驚く。

 もともと技術革新の速いエレクトロニクスや、100年に1度と言われる大変革期を迎える自動車産業と商売する上で“情報”が命だ。「求めるものが大きく速く変わっていく業界を相手にする場合は、『我々に話してみよう』とお客さんに思ってもらうことが大事だ」(滝本常務執行役員)と頼られる存在を目指す。

 車両の電動化などで大きく潮目が変わる自動車産業だが、活況なはずのリチウムイオン二次電池材料を担当する荒木良剛常務執行役員の表情は浮かない。「こんなに難しい状況はない。性能やコストダウン要求がかなり厳しい」と危機感を募らせる。

 顧客からの要求水準は、材料メーカーが独力で実現できるレベルを超える。「その高い目標は我々のところだけで材料コストを下げたとしても、届かない。(自動車、車部品、電池、材料の)垂直の連携性をしっかり考えないと、目標を達成できない」(荒木常務執行役員)と切実だ。

 現在、直接取引する電池メーカーの歩留まり改善や製造ラインの速度向上につながる製品開発・提案に力を傾ける。「より顧客に寄った価値を創出できる技術を取り込む」(同)ことで、サプライチェーン全体で利益を分かち合う健全化をボトムアップで働きかける。

プラゴミ問題―生分解性樹脂に追い風/単一素材化で再利用容易に

三菱ケミカルが試作したバイオPBS製ストロー

 欧米中心に海洋プラスチック汚染問題が騒がれる中で、三菱ケミカルの生分解性樹脂「バイオPBS」に追い風が吹く。土中の微生物が水と二酸化炭素へと分解するだけでなく、海水中でも分解できる性質を確認済みだ。

 ファストフードやコーヒーチェーン大手からの関心は強く、今夏にはストローを試作した。担当する関基弘常務執行役員は、「社内の高機能フィルムなど他の部門と連携し、顧客へソリューションを届けることが重要だ」と語り、材料売りから川下領域へ進出する可能性をにおわせる。

 また、課題の引き裂き強度や海洋分解性をさらに高めるには、独BASFやカネカなどの競合が手がける他の生分解性樹脂と混ぜて使う製品開発が不可欠。「弱点は補強しないといけない。他社との提携を考える」(関常務執行役員)とオープンイノベーションでこの波に乗りたいところだ。

 海洋流出防止への最も有効な手段は回収で間違いない。ただ、包装材などは機能に応じて複数種類の樹脂を積層しており、材料としての再利用は非現実的だ。そこで単一素材(モノマテリアル)化のニーズが高まる。

 三菱ケミカルはポリオレフィン向けで新たな触媒の開発にめどを付けた。これまで困難だったポリオレフィンへの機能付加がしやすくなるという画期的な触媒だ。石化部門長の岡本純一専務執行役員は、「フィルムで従来の複層から単層にできるかもしれない。リサイクルしやすくなる」と心躍らす。

 大きな社会問題の解決に向けてソリューションプロバイダーとしての真価が問われる。


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