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化学・薬品産業総合スレッド

2083とはずがたり:2018/12/23(日) 08:38:57

41 名前:荷主研究者[] 投稿日:2003/09/22(月) 03:39

2002年12月10日 日刊工業新聞 17面
ヴイテック、苦渋の選択 塩ビ事業で自主再建へ 一貫生産体制で生き残り

塩化ビニール樹脂生産量国内4位で、三菱化学系のヴイテック(東京都千代田区)が苦渋の末に塩ビ事業での自主再建への道を選択した。四日市など2工場で塩ビ樹脂の一部設備を停止するほか、原料の外部調達を中止し、電解などの原料事業から樹脂までの一貫生産体制を構築する。かねて他社との提携を模索し続けてきた同社だが、会社発足以来3期連続の大幅赤字の状況では合従連衡も難しく、当面は自社の競争力を高め、生き残る道を選ぶほか手がなかったようだ。(今井祐治)

まず競争力

「自分が生きていけないメーカーが、アライアンスに踏み切ることはできない」-。今村信和ヴイテック社長は、提携に踏み切るためにも、当面は自社の競争力を強化することが避けて通れないと話す。同社は、03年3月末で四日市と川崎の塩ビ樹脂の一部設備を廃棄する。樹脂の年産能力を現状比約16%減の33万4000トンにする。その一方で、数億円を投じて、03年6月に中間原料となるモノマーの能力を約17%増の年35万トンに増強、塩素とカセイソーダを併産する電解の能力も引き上げる。これら一連の改革で2年で20億円のコストを削減し、04年の黒字転換を目指すとしている。同社は年10万トン分のモノマーを委託していたセントラル硝子が03年3月末で塩ビ事業から撤退することに伴う措置としているが、同社が02年度末までに選ぶべき選択肢は少なくとも2つ用意されていたはずだった。

ナローパス

1つは、セントラル硝子に委託していたモノマー見合いの樹脂設備を停止し、縮小均衡を目指す道。もう1つが、樹脂設備をほとんど廃棄することなく、樹脂に見合った中間原料の能力拡充を実現するという道、つまり同社が今回選んだ道だ。「縮小均衡は全く考えなかった」と今村社長は明かす。それでは、財務に全く余裕のない中、新規投資を行ってまで電解とモノマーの能力をアップすることを決断したのはなぜだろうか。それは塩ビ事業を営む上で最も競争力が要求されるモノマー事業の強化のために他ならない。モノマーをいかに安くつくれるかが、この事業の死命を制するといっても過言ではない。ヴイテックは00年の会社発足以来赤字が続いているが、この赤字のうち約8割が電解及びモノマーによると見られる。このため樹脂事業での競争優位性を保つためにも、自前の電解設備能力を増強し、市況変動が激しい輸入二塩化エチレンから内製に切り替えた方が、モノマーの競争力強化につながると判断した。「今回の施策で国内でもトップクラスの競争力を持つことができる」(今村社長)という。

だぶつくカセイ

しかし、同社の電解設備の増設で、逆に塩素と併産されるカセイソーダの供給能力がだぶつくことになるのは間違いない。現在、過去最低水準にあるカセイの国内市況をめぐり、電解各社が値上げを打ち出している真っ只中だけに、ヴイテックの「数万トン」分のカセイ増加が値上げに与える影響が懸念され始めている。電解は塩素とカセイの均衡で成り立つ事業だけに、同社はモノマーと樹脂事業以外の部分にも神経を使いながらの、難しい舵取りを迫られそうだ。


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