したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

化学・薬品産業総合スレッド

2074とはずがたり:2018/12/23(日) 08:24:35


11 名前:荷主研究者[] 投稿日:2003/03/23(日) 01:14

1998年10/26 日本工業新聞 15面

千葉塩ビモノマーが生産休止 住化、旭硝子の子会社に生産委託

旭硝子と住友化学工業は、塩化ビニール樹脂の原料である塩ビモノマーの共同出資会社「千葉塩ビモノマー」の生産を当面、休止し、生産を旭硝子のモノマー
生産子会社「京葉モノマー」へ委託することを決めた。昨年後半以降の需要の低迷で、両社の稼働率が60-70%にまで落ち込んでいるうえ、千葉塩ビモノマー
の設備の老朽化が目立っているためだ。来年1月までは休止するとしているが、需要の先行き不透明感と慢性的な設備過剰を背景に、再稼動させる可能性は小
さいとみる向きが多い。(横内孝記者)

両社の思惑が一致

今回の生産提携は、より競争力のあるモノマーを手に入れたい住友化学と、稼働率を高め償却費の負担軽減を狙う旭硝子の思惑が一致した格好。すでに塩ビ事業
がコア事業でなくなっている住友化学が、モノマー分野から事実上、手を引くための道筋をつけたと見れなくもない。

今回の集約のきっかけは、今年2月、両社に電気化学工業、トクヤマを加えた4社が千葉地区で展開していた電解からモノマーまでの4事業会社を再編すること
で合意したことにさかのぼる。4社は電解、二塩化エチレン(EDC)、塩化物の3社を解散、千葉塩ビモノマーの存続を決めたが、当時、業界では千葉塩ビの
存続決定に疑問を投げかける声が上がった。そこにはプレーヤーが減ってくれればという、他社の期待があったのも事実だ。

住化は出資先である塩ビメーカー、新第一塩ビの千葉工場へのモノマー供給責任もあって存続を決めたわけだが、全生産量の4割近くを引き取っていた電化の離
脱で、低操業を余儀なくされる千葉塩ビモノマーが「果たして競争力あるモノマーを生産できるのか」というのが各社の疑問だった。

競争力のあるEDCを旭硝子から調達することで、原料コストの削減が期待できるとはいえ、需要がこれ以上落ち込めば、操業度はさらに低下、健全なオペレー
ションは到底、望めないという状況が容易に想像できたからだ。

再編劇がスタート

一方、生産を受託する京葉モノマーは、95年3月にプラントが稼動した関係上、償却費を稼ぐためにもなんとかフル稼働させたいところ。国内ではほとんど塩ビ
樹脂事業を手掛けていない旭硝子は、国内塩ビメーカーへの供給や輸出でモノマーをさばき、高い操業度を維持していた。ところが内需の大幅減やアジアの経済
混乱による輸出低迷で、今春から大幅減産を余儀なくされた。

こうした危機的状況の下、モノマー会社2社の親会社であり、モノマーでは東ソーと並んで国内屈指の競争力を誇る旭硝子が主導する形で再編に踏み出したとい
える。塩ビ樹脂の競争力は、原料であるモノマーのコストで決まるとさえ言われる。今回の集約は、95年7月の新第一塩ビ発足に端を発した塩ビ樹脂分野の再編
劇が、いよいよモノマーの分野へ及ぶことを意味する。塩ビ樹脂同様、事業統合という形をとるかは別として、同分野での戦略提携は確実に進みつつある。

すでに、電化が千葉地区での塩ビモノマー事業から撤退、モノマーの調達先を塩ビ樹脂事業で提携関係にある東ソーへ切り替えることを決めたほか、大阪地区で
塩ビモノマーを生産する三井化学もその調達先を東ソーに集約する方向で検討中だ。

日本ゼオン、住友化学工業、サン・アロー化学、トクヤマが出資する新第一塩ビも、モノマー調達源の一つで、他のモノマー工場に比べ競争力に劣るとされる山陽
モノマーについて、スクラップを含め再編成する検討に入ったとされ、今後、モノマー分野での提携が一気に加速する公算が大きい。

*千葉地区の塩素誘導品供給の新旧比較

<旧>
千葉電解→(塩素)→袖ヶ浦ケミカル→(塩化物)→トクヤマ
千葉電解→(苛性ソーダ)→トクヤマ
千葉電解→(苛性ソーダ)→住友化学
千葉電解→(苛性ソーダ)→電気化学
千葉電解→(塩素)→千葉イー・ディー・シー→(EDC)→千葉塩ビモノマー

旭硝子→(EDC)→京葉モノマー

<新>
旭硝子→(苛性ソーダ)→住友化学
旭硝子→(塩化物、苛性ソーダ)→トクヤマ
旭硝子→(EDC)→千葉塩ビモノマー

千葉塩ビモノマー→(塩ビモノマー生産委託)→京葉モノマー


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板