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化学・薬品産業総合スレッド

2034とはずがたり:2018/11/02(金) 11:29:37
最先端EV用電池素材で日本に勝利したロシア
超低価格のカーボンナノチューブ量産化、電池容量が飛躍的に向上
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54549
2018.11.2(金) 渡邊 光太郎

 ハイテク素材の開発でロシアが日本に勝利――。

 ロシア版大本営発表に聞こえかねないもので、筆者の曲筆が疑われそうなフレーズである。

 素材産業は日本が現在でも競争力を有する貴重な分野である。ハイテン材、炭素繊維、特殊鋼など、日本製品が世界のトップを走る製品は多い。

 一方、ロシアの素材産業はチタンのようにごく稀に優秀なものがあるが、一般的には評価の低いものがほとんどである。

 例えば、自動車で用いるロシアの亜鉛メッキ鋼板は、日本で呼ばれる亜鉛メッキ鋼板とはほど遠く、実態は鋼板に「亜鉛が乗ってる」ようなもので、少し曲げるとはがれてしまうそうだ。

 亜鉛メッキだけに問題があるわけではない。鋼板の板厚は不均質で、異物の巻き込みも多い。

 そのような鉄板を使って高品質なものを製造することは不可能である。ロシアでは日本レベルのものづくりは絶対に無理である。その理由の一つが、素材産業の能力不足である。

 しかし、EVで用いられるリチウムイオン電池に性能向上をもたらすとされるカーボンナノチューブの開発では、本当にロシア製品が日本製品に勝ったようだ。

 カーボンナノチューブは電流容量や強度で優れた物性を持ち、期待の新素材であった。

しかし、1グラムで数万円、ざっくり金の10倍という高価格だった。そんな高いものを使っては、まともなコストで製品作りができないので、誰も実用的な用途を見つけられなかった。

 そんな中、ロシアでOCSiAl社によって、1グラムで300円という低価格でカーボンナノチューブを製造する方法が開発されたのだ。そして、実際に供給体制を整え、本当にその価格での販売が始まっている。
カーボンナノチューブとは

 カーボンナノチューブとは、炭素原子が筒状に結びついて、分子サイズのパイプになったものである。

 炭素の結晶であるダイヤモンドが示すとおり、炭素原子は原子間の結びつきが強く、それが硬さなどの高い物性をもたらす。

 カーボンナノチューブの物性は、耐えられる電流量は銅の1000倍、熱伝導度は銅の約7倍、強度は炭素繊維の8〜80倍とされている。

 カーボンナノチューブは名前のとおりナノサイズなので、単体では使いようがない。しかし、物性がこんなに優秀なので、少量を他の材料に混ぜることで、性能を大幅に向上できる。
写真2 カーボンナノチューブの電子顕微鏡写真(出所:JSTウエブサイト)

 例えば、プラスチックにカーボンナノチューブを少量混ぜれば、電気を流す性質を与えることができる。

 混ぜる量は少量なので、透明のプラスチックは透明のままであり、見た目はプラスチックなのに電気を流すことができる。

 現在、最も期待されている用途は、自動車のEV化の進展で期待の高まっている2次電池の性能向上である。

 カーボンナノチューブには電気が流れやすいうえ、幅に対する長さが長い。これは相互に繋がりを作り、電気の流れる経路を作りやすくする。

 粉末の中に混ぜると、粒子間を電気が流れやすいものでつなぐようになる。リチウムイオン電池の電極材にカーボンナノチューブを混ぜることで、粒子間を電気が流れやすくなり、電池の性能が上がる。

 また、2017年物質・材料研究機構と科学技術振興機構により、正極にカーボンナノチューブを用いたリチウム空気電池という別のタイプの電池が開発されている。

 この電池はリチウムイオン電池の15倍の蓄電容量があるという。ソフトバンクと共同で実用化研究が行われている。

 電池の内部では化学反応が進むと、電気の流れを阻害する物質が溜まる。

 カーボンナノチューブは、変形しながらこうした物質を溜め込みつつも、電気を流す経路を作りやすい性質により、電池内の電気の流れを維持する。

 このカーボンナノチューブの性質により、大きな蓄電容量を実現した。

 これまで、カーボンナノチューブを用いて様々な製品の性能向上ができることが分かっていたが、前述のように金の10倍の価格では手が出なかった。


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