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化学・薬品産業総合スレッド

1814とはずがたり:2017/02/15(水) 10:31:30
普通のガムと風船ガムの違いは何ですか?
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1058022702/1760

チューイングガムや木工用ボンドに使用されている酢酸ビニル樹脂とは
http://blog.livedoor.jp/cyclochem03/archives/913341.html

チューイングガムについてウェブ検索をしていると、『チューイングガムの主成分は石油から出来ている!』と、あたかも石油を口の中に入れていて、危険なものを食しているような表現をしているサイトが目につきます。チューイングガムの主成分は、酢酸ビニル樹脂ですが、石油ではありません。では、それは一体どのようなものなのかということについて、中央大学理工学部で15年間に渡って『工業有機化学』を講義し、現在は、神戸女子大学健康福祉学部で『女性と健康』の講義をしている私の立場から、この『まめ知識』を通じて出来るだけ分かり易く説明し、私の見解を述べ、皆様の持っている安全性に対する不安感を何とか払拭したいと思います。

先ず、酢酸ビニルはどのようにして作られているか、から説明します。(この下の数行は、難しいと思われる方は、それほど重要ではないので軽く読み飛ばして下さい。)

確かに、酢酸ビニルは石油が原料になっています。石油を精製すると、ガス、ナフサ、灯油、軽油、重質油などに分けられます。そのナフサを、さらに分解(熱分解や接触分解という)させて精製するとエチレンというものが得られます。このエチレンと酢酸を、酸化的に反応させて得られるのが酢酸ビニルというモノマー(単量体)です。その酢酸ビニルを幾つもつなぎ合わせると、酢酸ビニル樹脂(ポリマー)になるのです。よって、石油を出発原料としていますが、私たちが病気になった時に頼る多くの医薬品と同様に、幾つもの反応を経て作られた物質なのです。

酢酸ビニル樹脂の食品添加物としての安全性は、様々な試験でハッキリと確かめられています。一方で、その原料の酢酸ビニルモノマーは反応性に富んでいるため、皮膚や粘膜、目に刺激を与え、発癌性もあります。そこで、酢酸ビニルモノマーが含まれているかどうかについては、食品衛生法の大変厳しい規格があり、規格基準にあったもののみが食品添加物としてチューイングガムに使用されているのです。

酢酸ビニル樹脂は高分子であり、胃腸の消化管内の消化酵素によって分解されませんので生体内に吸収されることはありません。たとえ、分解されたとしても炭素と酸素と水素で構成された有機化合物であり、生体内では二酸化炭素と水に変換されることとなり、危険性はないと考えられます。実際、酢酸ビニル樹脂が主成分のガムは、過去100年噛まれてきましたが、その安全性に問題のあるようなトラブル事例は起こっておりません。

一方で、チューイングガムを噛むことによって、歯や歯ぐき、あごの骨を強くし、歯に付いた食べカスなどの汚れを除去し、唾液を分泌させて口腔内の抗菌力を高め、脳内血流をスムーズにして脳内改善するなど、健康へのさまざまな効能効果が知られているのです。

皆さんは、チューイングガムをチョコレートと一緒に食べて、チューイングガムが溶けてしまったという経験はありませんか?チューイングガムは、チョコレートだけでなくクッキーやスナック菓子など油の多い菓子類と一緒に食べても溶けてしまうのです。

その理由は、チューイングガムの主成分の酢酸ビニル樹脂が親油性(脂溶性)で油に溶ける性質を持っているからなのです。チューイングガムは、ガムベースに香料や甘味料を加えて作られていますが、そのガムベースの主成分は、酢酸ビニル樹脂です。その樹脂を噛みやすく、柔軟性を付与するためにエステルガムが、弾力性を付与するためにポリイソブチレンなどが配合されてガムベースは作られています。

余談ですが、最近では、エステルガムやポリイソブチレンを必要としない、柔軟性や弾力性のあるラウリン酸ビニルと酢酸ビニルの共重合樹脂が開発され、この樹脂のみでガムベースの機能を持つことから、世界的には今後こちらが主流になる可能性も出てきています。

よって、チューイングガムをチョコレートなどの油脂を含有する菓子類と一緒に食べると酢酸ビニル樹脂が油に溶けるために、ガムが溶けた状態になるというわけです。


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