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化学・薬品産業総合スレッド
1759
:
荷主研究者
:2016/11/19(土) 16:10:45
http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00403768?isReadConfirmed=true
2016/10/20 05:00 日刊工業新聞
挑戦する企業/三菱ケミカルHD(1)化学系3社統合、グローバル成長へ
構造改革にめどをつけた(鹿島事業所のエチレンプラント)
■欧米のライバルに照準―顧客視点で総合力■
三菱ケミカルホールディングス(HD)は2017年4月の化学系3社統合で、真のグローバル企業を目指す。社長の越智仁は“欧米の巨人たち”と比べて遅れる海外展開を、成長戦略の根幹に据えた。事業を通じて地球規模で社会的課題の解決に貢献する「THE KAITEKI COMPANY」を看板に掲げる同社。その冠詞を「THE」から「GLOBAL」へ書き換える挑戦が始まる。
【交流少なく】
10月初め、越智はスペイン・マドリードにいた。欧州全域のグループ会社トップを集めた会合に出席するためだ。話題は三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの3社統合で発足する新会社「三菱ケミカル」に新設する地域統括会社に集中した。
地域統括会社体制とは、ドイツと米国、中国、シンガポールに新会社の「リージョナル・ヘッドクオーター」を設立し、マーケティングを中心に各地域の情報を集約する構想。従来は3社が独自で海外へ進出し、交流は少なかった。
顧客の商品開発動向など核心情報もほとんど共有していない。越智は「海外の情報網が貧弱でマーケティングや販売チャンネル利用が不十分」と唇をかむ。
【土台づくり】
三菱ケミカルHDの15年度の海外売上高比率は43%。低くはないが、自力成長というよりM&A(合併・買収)の押し上げ効果が大きい。
独BASFや米ダウ・ケミカル、米デュポンなどの巨人とは収益力や時価総額で大きく水をあけられている。ただ、専務最高財務責任者(CFO)の小酒井健吉は「これから5年間は20年以降に欧米勢に匹敵するよう飛躍していく土台づくりだ」と焦らない。
グローバル化への挑戦の一つが、顧客軸のソリューションビジネス、つまり会長の小林喜光が社長時代に訴えてきた「モノづくりからコトづくり」への転換だ。ただ、従来の3社体制では製品・事業軸が強く、シナジーを阻害してきた。越智も「新事業を生み出す力が半減している」と歯がゆさを感じていた。
だからこそ、新会社は事業を「情電・ディスプレイ」など10事業部門に再編。顧客基点でシナジーを最大化し総合力を前面に出す。
【自動車で実績】
先行事例は自動車だ。グループ内の自動車関連事業に横串を通す組織を08年に発足。自動車メーカーとの共同開発に注力し、先端材料の採用実績が増えた。自動車関連事業推進センター長の石渡直明は「商材が圧倒的に多いのが強み。顧客は相談しやすいはず」と自負する。短期視点で事業売却を繰り返してきた欧米のライバルにはない強みで、成長に向けたアクセルを踏む。(敬称略)
*21日から素材面に掲載します。
(2016/10/20 05:00)
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