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化学・薬品産業総合スレッド

1743荷主研究者:2016/10/29(土) 16:17:59

http://toyokeizai.net/articles/-/141918
2016年10月26日 東洋経済
昭和電工、黒鉛電極で「逆張り買収」の勝算
全プレーヤーが赤字の事業をどう立て直す?

渡辺 清治:東洋経済 記者

 化学メーカー大手の昭和電工が、構造不況に直面する不振事業でM&Aに動いた。

 同社は10月20日、炭素・黒鉛製品メーカーの独SGLカーボン社から黒鉛電極事業を買収すると発表した。取得額は156億円。SGLカーボン傘下で黒鉛電極を手掛けるSGL GE社(昨年度売上高は430億円)の全株式を2017年半ばまでに取得する。

 昭和電工は石油化学や化学品、アルミ、ハードディスクなど幅広い事業を手掛け、黒鉛電極も主力事業の一つだ。黒鉛電極は鉄スクラップを溶解して鋼材を生産する電炉の生産設備で、大電流を流して炉内を加熱する電極棒として使用される。

大手から下位まで軒並み赤字

電炉の電極棒として使用される黒鉛電極(写真上部分)は鉄鋼不況で需要が冷え込んでいる

 電炉用の高グレード品で昭和シェルは世界3番手の一角。2位メーカーのSGL GE社買収により、世界シェアは3割前後にまで増え、米GTI社(グラフテック・インターナショナル)を抜いて最大手に躍り出る。

 もっとも、この黒鉛電極の産業は近年厳しい事業環境にあり、大手から下位まで軒並み赤字に陥っている。高炉を中心とする中国鉄鋼メーカーの過剰生産で、電炉の操業度が世界的に低下し、消耗品である黒鉛電極の需要も細っているからだ。需給の悪化により、足元の黒鉛電極の販売価格は5年前の半値程度にまで落ち込んでいる。

 こうした中、最大手の米GTIは業績不振で投資ファンドの傘下に入った。また、独SGLグループは昨年、利益が出なくなった黒鉛電極を非コア事業に格下げし、本体から分社化。事業の将来性に見切りをつけ、複数の企業と売却に向けた交渉を進めていた。

 SGLから事業を買い取る昭和電工にしても、黒鉛電極の赤字は経営の大きな重荷となっている。同製品を柱とする無機部門はかつて200億円規模の利益を稼ぐほどだったが、2013年に赤字転落して以降、前期まで3年連続で赤字を計上。今2016年12月期は出荷数量、販売価格とも一段と落ち込み、部門赤字が50億円超(前期赤字額は12億円)にまで膨らむ見通しだ。

 にもかかわらず、その赤字事業で買収に踏み切るのはなぜかーー。会見した市川秀夫社長によると、今回の買収は必ずしも規模拡大を目的としたものではなく、一番の狙いは「再編による徹底的なコスト削減」にある。

統合効果で2019年に黒字化目指す

今回の買収により、昭和電工は電炉向け黒鉛電極の世界最大手になる

 昭和電工が日本と米国、中国の3工場で黒鉛電極を生産しているのに対し、SGL GEは欧州や米国、豪州など5カ国で計6工場を操業している。昭和電工は再編後に生産体制見直しや管理部門の機能集約などで60億円以上のコスト削減が可能と試算しており、2019年での事業黒字化を目指すという。

 赤字事業での買収だけにリスクは否めないが、市川社長は「全社が赤字になっているような異常な状況は長く続かない。少なくとも、市況がこれ以上悪くなる事態は考えにくく、統合効果で黒字化は十分可能」と事業の建て直しに自信を見せた。

 不振が続く黒鉛電極事業での生き残りに向け、買収という逆張り戦略に打って出た昭和電工。果たして、その経営判断は吉と出るのかーー。逆張り戦略の成否に注目が集まる。


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