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化学・薬品産業総合スレッド
1615
:
荷主研究者
:2016/01/16(土) 15:22:42
http://toyokeizai.net/articles/-/98411
2016年01月11日 東洋経済
化学にメガ再編の潮流、日本勢は戦えるか
米国の化学大手の統合が塗り変える業界地図
藤尾 明彦:東洋経済 記者
国内の化学コンビナート。再編で業界の効率化を進め、世界の大手と渡り合えるか(撮影:大澤誠)
ビールや医薬品などで世界的に大型M&Aが相次いだ2015年。その最後を飾ったのは、総合化学の名門企業である米ダウ・ケミカルと米デュポンだった。
2015年12月11日に、両社は折半出資で新会社「ダウ・デュポン」を設立して、2016年後半をメドに経営統合を完了させると発表した。
単純合計で売上高は11兆円を超え、独BASFを上回り、業界トップに躍り出る。新会社は統合から2年以内に、「農業」「素材」「特殊製品」の事業別に3社に分割し、上場させる計画だ。
物言う株主の圧力が統合を後押しか
今回の統合の背景には、近年の業績停滞がある。ダウの売上高は、直近ピークである2011年度を一度も上回っていない。デュポンも2014年度売上高は2013年度から減少した。
そのため、両社とも、物言う株主(アクティビスト)から目をつけられていた。
日本企業にも積極的に投資している米サード・ポイントは、ダウに対して、競争の厳しい汎用化学品の分離を要求。デュポンも2015年前半に、役員の選任をめぐって、別のアクティビストと委任状の争奪戦を展開した。
外圧が強まる中で、両社は経営統合を選択。短期的には、重複事業の統合などで、約3600億円のコスト削減を見込んでいる。さらに、統合後の成長によって、約1200億円の利益創出を見込む。
統合後に2.3兆円規模となる農業事業は、農薬や遺伝子組み換え種子といった分野で高い競争力を誇る。ただ、穀物価格はブラジルなどの供給過多で、足元は軟調に推移。大豆は2012年の1ブッシェル当たり17ドル台から、8ドル台まで下落しており、早期の市況回復は望めそうもない。
苦境を打破すべく、農業業界では、再編の機運が高まっている。農業専業で種子最大手の米モンサントは2015年夏、農薬最大手のシンジェンタ(スイス)に買収を提案した。結局まとまらなかったものの、ダウとデュポンの統合をきっかけに、さらなる合従連衡が進む可能性がある。
日本勢は買収の対象外
://tohazugatali.web.fc2.com/industry/20160111toyo01.JPG
一方で、今回のメガ再編劇が日本の総合化学メーカーへ与える影響は、軽微にとどまりそうだ。
SMBC日興証券の竹内忍シニアアナリストは「日本メーカーは買収対象として魅力に乏しい」と分析する。
日本の化学メーカーも大手2強に集約が進むとはいえ、規模では海外の競合に遠く及ばない。さらに総合化学メーカーは事業内容が多岐にわたるため、M&Aでは不要な事業の切り放しが必須となるが、日本企業のリストラは簡単ではない。
国内勢が世界の巨人に対抗するには、「価格競争が厳しい汎用品を切り出して統合・再編し、自動車向け材料など高機能製品を独自で展開していく道が現実的」(竹内氏)。
国内最大手の三菱ケミカルホールディングスは、原油安により採算が改善。円安にも助けられ、業績は2012年度を底に回復傾向にある。一息ついた今こそ、攻めの一手を打つ必要があるはずだ。
(「週刊東洋経済」2016年1月9日号<4日発売>「核心リポート07」を転載)
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