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化学・薬品産業総合スレッド

1554荷主研究者:2015/11/07(土) 22:26:51

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2015/10/14-22127.html
2015年10月14日 化学工業日報
【中間製品 動向を探る】 1,4ブタンジオール<下>

 1,4BDは、中国での生産設備急増による供給過剰から市況も下落している。さらなる新増設計画もあり、当面厳しい事業環境が続く見込み。主要各社はTHF(テトラヒドロフラン)やPTMEG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)などの誘導品を含めたチェーン展開で事業基盤を強固にする。さらに将来を見据え、原料多様化にも力を入れており、植物由来をはじめ新製法の技術確立が長期的な競争力強化のカギとなりそうだ。

 1,4BD最大手のBASFは、アジア、欧州、北米にアセチレンを原料とするレッペ法による生産拠点を構える。ただ事業環境の変化が生じても対応できるバランスのとれた事業ポートフォリオを構築するため、原料の多様化を図る方針。

 その一環として、再生可能原料をベースにした商業化に注力。製法は米ジェノマティカ社が特許を持つブドウ糖を原料にした発酵プロセスを採用しサンプル出荷を推進している。今年9月24日にライセンス契約を拡張し、新たに東南アジア地域も対象に加わった。世界規模の設備を建設する計画で年7万5000トンの生産能力を想定する。

 三菱化学は、1,4BDとTHFを併産できる独自のブタジエン法で生産している。石油化学事業全体で、既存の化石原料のうち一定量を植物原料に置き換える目標も掲げ、研究開発を推進してきた。原油、ナフサ、ブタジエン価格に影響を受けない収益体質に強化するためにも、再生可能原料へのシフトを今後の方向性としている。

 その一環で1,4BDも米ジェノマティカと提携。ジェノマティカの保有する高いバクテリア技術と、三菱化学の精製技術を組み合わせ、植物原料の事業化を目指している。

 すでにサンプル出荷を進めているが、競争力ある製造コストを達成することが課題。中国メーカーとのさらなる競争激化に備え、来年度から始まる新中期経営計画中に成果につなげる計画だ。

 非可食であるセルロースへの原料転換に向けた取り組みにも力を入れており、商業生産に向けた研究開発を進めていく。THFではトウモロコシの芯など植物のバイオマスから生産するラボスケールの生産設備を設置し、量産工場を立ち上げるための実証試験を開始した。

 原料多様化に向けた動きに対し、長春グループの陳顯彰副総裁は「再生可能原料ベースの1,4BDが脅威」と警戒感を示す。「実際に再生可能原料由来品の安定生産が可能となり、品質、コストがともなったものが市場に出てくると、石油由来では対抗するのが難しい。ゲームチェンジャーに成り得る」と語る。

 BASF、三菱化学は、長期的に資源や原料の市況変動に左右されない事業展開を図りたい考え。生産能力余剰の問題は続きそうだが、バリューチェーンと原料多様化による差別化戦略が、1,4BD事業の持続的発展に向けた重要なポイントとみられる。

(不定期掲載)


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