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化学・薬品産業総合スレッド

1553荷主研究者:2015/11/07(土) 22:26:26

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2015/10/13-22089.html
2015年10月13日 化学工業日報
【中間製品 動向を探る】 1,4ブタンジオール<上>

▲大連化学の中国・盤錦の1,4BD設備。同国の需要を取り込むため、この間、生産能力を引き上げてきた。

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 北米シェールガスや中東の天然ガス、中国の石炭化学などで化学産業の世界的な構図は大きく変わるとされ、その話題はエチレンをはじめ基礎化学製品に焦点があてられる。一方、中間製品はどのように市場が変化し、各社はいかに事業を展開するのか。各製品の方向性を探る。まず1,4ブタンジオール(1,4BD)を取り上げる。
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 1,4BDは、ポリウレタン弾性繊維(スパンデックス)やポリブチレンテレフタレート(PBT)をはじめ、テトラヒドロフランやガンマブチロラクトンなどの工業薬品の原料として使用される。天然ガス、ブタン、ブタジエン、プロピレン、アセチレンなどを原料に製造される。

 主用途のスパンデックス需要は、世界規模では10%程度の成長率で伸びている。とくに中国はスパンデックスの一大市場となっており、生産能力も拡大基調にある。それにともなう需要増に応じて1,4BDの生産設備も急増。生産能力が膨れ上がり需給バランスは大幅に軟化した。

 中国での生産設備の急増による供給過剰から市況も下落。昨年半ばからの原油価格急落によるプロピレンやアセチレンの価格低下も後押しし、過去12カ月の間で中国市場の1,4BD価格は約50%下がった。

 さらに、今後も新増設が予定されており、計画では中国国内だけで50万トン以上の新規プラント建設が控えている。市場関係者らは中国メーカーが淘汰される可能性は低く、生産能力は増え続ける。

 厳しい事業環境のなか、主要各社は誘導品を含めたチェーン展開を強める。

 世界ナンバーワンサプライヤーのBASFは、1,4BDチェーンを最重要事業の一つと位置付け、PolyTHFなどの誘導品を含めた展開を強化する。同社は独ルートヴィッヒスハーフェン、米ルイジアナ州ガイスマー、千葉、マレーシア・クアンタン、中国・上海で1,4BDと誘導品を生産している。生産能力は15年末までに年65万トンとなる。誘導品関連のアジア展開では韓国、中国のPolyTHF、マレーシアの東レとの合弁のPBTは高稼働で推移している。

 中国供給過剰の問題はあるが、市場でのプレゼンスを一層高めることを目的に新規の事業化の議論も進んでおり、原料、需要面を含め競争力ある立地を見極めている。

 三菱化学は四日市事業所にブタジエンを原料とする製造プロセスの1,4BD/THF併産プラント(年産6万トン)を保有している。従来9万トンの能力を有していたが、2011年に原料ブタジエンの高騰によるコスト上昇と中国の供給能力拡大で輸出も厳しくなったことから、一部設備の停止を決定。13年春に現在の体制に集約した。

 6万トン体制の下では国内市場への供給で展開している。内需はスパンデックスの海外生産シフトなどで伸びは期待できないが、一定水準で推移している。国内顧客への安定供給とPTMEGなど誘導品へ振り向ける自消分でフル稼働の状態が続いている。

 台湾・長春グループの大連化学は、中国では盤錦と儀征に1,4BD―PTMEGのプラントを持つ。中国需要を取り込む狙いで、この数年間で儀征で4万トン、盤錦で15万トン能力を引き上げた。

 中国需要が減退したため、足元の稼働率は70―80%。グループのアリルアルコールから1,4BD、THF、PTMEG、PBT/PBTコンパウンドまで一貫で生産できる点を強みに事業を展開する方針。

(不定期掲載。<下>は14日付を予定)


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