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化学・薬品産業総合スレッド

1541荷主研究者:2015/09/13(日) 12:34:15

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2015/08/27-21577.html
2015年08月27日 化学工業日報
「東ソー 飛躍の軌跡」(下) 高収益企業への挑戦

 1980年代の多角化経営失敗を教訓に、2000年以降の東ソーは技術やノウハウに強みを持つ事業に経営資源を振り向けていく。収益は順調に回復し、06年度の営業利益は現在でも最高値の604億円を記録した。

 堅調な経営に冷や水を浴びせたのが08年9月のリーマン・ショック。世界規模で需要が減退し、08年度に253億円の最終赤字を計上。総有利子負債は4356億円に膨らんだ。09年6月に就任した宇田川憲一社長は社内に向けて「V字回復」を掲げ、得意分野により集中する厳選投資で収益の回復に努めていく。

※機能品シフト鮮明に※
 とくに00年代半ばに1000億円を投じたビニル・イソシアネート・チェーン第2期以降はバルクのコモディティからスペシャリティへのシフトが鮮明。中国でアセチレン・カーバイド法塩ビ樹脂設備の新増設が想定以上の速さで進み、日本で生産して極東に輸出する同社のビジネスモデルが大きく崩れていた。宇田川社長は高機能材により重きを置くことになる。

 幸い、時流とも合致してスペシャリティ製品群が立ち上がり始めたのもこの頃。自動車排ガス浄化触媒に使用されるハイシリカゼオライトは、排ガス規制が日欧米で強化され日本では09年にいわゆる「ポスト新長期規制」が制定されるなど、普及が進む環境が生まれていた。05年に歯科用として薬事法の認可を受けたセラミックのジルコニアも欧米で採用が広がり始めた。

 バイオサイエンス事業は、日本だけでなく欧米にも進出し10年には中国にも拠点を設置した。今年はインドの体外診断薬製造販売会社を買収するなどグローバル市場に対応できる体制を整備している。売上高営業利益率は13年度がコモディティの3・6%に対し、スペシャリティは12・5%。今期はそれぞれ5・4%、18・3%に高まる公算。

※利益率10%超へ※
 社内では今、来期から始動させる新中期経営計画の準備が緒に就いた。30年前は失敗した中計だが、宇田川社長は再び策定する要因として株主に対する説明責任を強調。「決定打になったのはやはりコーポレートガバナンス・コード。中期経営計画の策定は社会の要請になっている」と説明する。具体的な策定はこれからだが、売上高営業利益率は15年度見込みの8%台を維持しながら20年近傍に10%台に乗せることが目標。コモディティでは5%超、スペシャリティでは20%以上を目指す。

 経営資源は引き続きスペシャリティに重点投下する考えで「1兆円企業を目指すと言うつもりはないが、売り上げが伸びないと成長性が低いとみられる。利益を重視しながら成長性をどうバランスするか思案している」(宇田川社長)。中長期的視点で捉えた時、新中計は?成長への種まきの時期?との位置づけ。足元では過去の投資が実りゼオライトやジルコニアも既存プラントはほぼフル稼働。積み上がったキャッシュはM&A(合併・買収)を含め成長領域に振り向けていく。

※過去の教訓糧に※
 中計に先立ち7月には41年ぶりの公募増資を実施。実施後に株価が下がるなど市場の理解を得たとは言い難いが、宇田川社長は「従来は財務体質が弱いからマーケットの評価も低かった。早く自己資本を高めたいとの思いがあった」と明かす。増資により自己資本比率は6年ほど前からの目標だった40%に届き、自己資本比率(ROE)も15%台と業界でもトップクラス。宇田川社長は「ようやく一人前になった。過去の失敗を繰り返さず、環境変化に左右されない事業構造づくりに着手したい」と語る。

 東ソーは今年、創立80周年を迎えた。新中計にはどのような成長の青写真が書き込まれるのか。90年、100年に向けた成長戦略の策定が今まさに進められている。


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