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化学・薬品産業総合スレッド
1507
:
荷主研究者
:2015/07/20(月) 22:53:46
http://diamond.jp/articles/-/72870
2015年6月10日 週刊ダイヤモンド編集部
中国人のおむつ“爆買い”で
三井化学に迫られる工場増設の決断
同じ不織布メーカー、おむつメーカーによる中国製の紙おむつがあっても、中国人は日本製にこだわり、爆買いする
Photo by Ryosuke Shimizu
国内化学大手の三井化学が頭を悩ませている。悩みの種は、紙おむつ。同社は紙おむつの材料である不織布を生産しており、それが品不足に見舞われてきているのだ。
原因は中国人による紙おむつの“爆買い”で、数字を見てもその影響は明らか。衛生材料の業界団体の統計によると、2014年の国内の乳幼児用紙おむつの生産枚数は、少子化にもかかわらず前年比で12%も増えた。
「本来、必要としている人に行き渡らないんですよ」。ドラッグストア幹部はこう吐き捨てる。来日した中国人観光客が自分の子どものために、あるいは親戚やご近所へのお土産に買っているだけならいいが、ブローカーの“買い子”が大量に買いあさっているのだ。
この幹部によると、ブローカーは買い子から紙おむつを1.25倍の価格で買い取って船で輸送。「日本製」を重んじる中国の消費者に倍額で売る。ブローカービジネスがはびこっているというわけだ。
投資額でかい不織布工場
買い子は店にあるだけ全部買っていくため、数量制限を設けている小売店も多い。だが、それを見越して車で買い回っているから効果は限定的だ。「中国人から神格化されている」(ドラッグストア関係者)という花王のメリーズに至っては、納品トラックの後を追い掛けて購入するつわものもいる。
結果、品薄となり、小売店は仕入れもままならない。「クレームを入れているが、メリーズはもうずっと全然足りていない」(ドラッグストア幹部)。メリーズに続いて、国内最大手であるユニ・チャームのムーニーも「購買力の弱いチェーンに、オーダー数がきちんと入らなくなってきた」と嘆く。
おむつメーカーが増産を検討せざるを得ない状況の中、同じく決断を迫られているのが三井化学だ。
日本製の乳幼児用紙おむつには、最高品質の高機能な不織布が不可欠だ。例えば、おなかや脚にしっかりフィットし、なおかつゴムのようにキツく締め付けることがないという紙おむつの絶妙な伸縮性は不織布のなせる業である。
こうした高機能不織布は、三井化学がアジアのシェアの6〜7割を握っている。おむつメーカーが増産すれば、その分、同社も不織布の供給を増やさねばならないわけだが、日本製の紙おむつに使われている最高品質の不織布を作る日本の工場はほぼフル稼働で、「在庫に余裕もない」(三井化学幹部)。
すぐさま工場の増設をするかといえば、判断が実に難しい。不織布の製造設備は大規模で、増設には50億円程度掛かることもザラ。中国人の爆買いがいつまで続くか読み切れないのに、おむつメーカーの要請においそれと応じて投資するのは危険だ。
当面は汎用品のラインを高機能品に転換してしのぐとみられるが、増設の可否について熟考する日々が続く。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 新井美江子)
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