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化学・薬品産業総合スレッド

1荷主研究者:2003/12/07(日) 23:23
これまで「石油・LNGなど=エネルギー総合スレ=」で扱ってきた化学系のネタを独立させます。

社団法人日本化学工業協会
http://www.nikkakyo.org/

石油化学工業協会
http://www.jpca.or.jp/

化学工業日報
http://www.chemicaldaily.co.jp/

石油化学データベース
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/new.htm

1343とはずがたり:2014/01/28(火) 17:31:20
8月の記事。

ニッポンの石油化学、静かに迫る危機
三菱ケミ−旭化成連合、エチレン1基停止へ
http://toyokeizai.net/articles/-/16939?utm_source=goo&utm_medium=http&utm_campaign=link_back
武政 秀明 :東洋経済記者 2013年08月03日

旭化成ケミカルズ・水島製造所の化学品プラント
静かに。しかし、確実に危機は迫りつつある。

三菱ケミカルホールディングスと旭化成は8月2日、水島地区(岡山県倉敷市)の石油化学コンビナートで一体運営するエチレン製造設備2基について、2016年春をメドに1基へ集約する方向で検討を本格化していくと発表した。旭化成側のプラントを停止することを前提として、今年度末となる2014年3月までをメドに結論を出す。正式決定すれば、年間で約100万tのエチレン生産能力をほぼ半減。両社併せて年間100億円のコスト削減が見込まれるという。

両社は2011年4月に、水島地区におけるエチレンプラント2基の一体運営を開始。設備集約などを検討してきたが、「日本の石化産業の国際展開を考慮したうえで、エチレンをどう安くするかという観点で、規模が若干大きい三菱のプラントを残す方向での決断に至った」と、三菱化学の石塚博昭社長は同日、東京都内で開いた会見で述べた。

エチレンは石油化学製品のおおもと

エチレンとは、プラスチック(合成樹脂)やゴム、合繊原料、塗料原料、合成洗剤など、石油化学(石化)製品のおおもとになる原料で、日本では石油から取り出されるナフサ(粗製ガソリン)をベースとしている。石化製品は自動車、家電製品、携帯電話、衣服、日用品など、身の回りにあふれるさまざまな製品に使われる。

日本の化学産業は出荷額40兆円と自動車に次ぐ国内2位、従業員数88万人は国内製造業で同3位(2010年、経済産業省)に位置する。その中における代表的な存在である日本の石化産業は、ここ数年で急速に国際競争力が低下している。

業界団体である石油化学工業協会によると、2012年のエチレン国内生産は、前年比8%減の614万トン。2000年以降では最低の国内生産であり、リーマンショック後の08〜09年にいったん落ち込み、11年に一段と落ち込んだ水準を、12年はさらに割り込んでしまった。バブル崩壊後の水準とほぼ同等となる。現在、国内では計10社が各地のコンビナートで計15基のエチレン設備を運営しているものの、足元の稼動率はおおむね8割程度。各社ともに採算難にあえいでいる。

エチレンの内需は長らく年500万トン前後で推移しているが、国内生産能力は約760万トンにも及ぶ。余剰分は輸出に回して補ってきたものの、その拠り所だった中国の経済減速によって均衡が崩れるとともに、日本の石化産業が抱えてきた高コスト体質という構造的な問題も露呈している。

中東、中国の設備増強、日本勢に打撃

近年、天然ガスを由来とする安価なエチレンに強みを持つ中東や、最大の需要地である中国で、年100万トン級の大型プラントの新・増設が相次いだ。ナフサを原料にする日本の石化産業は、中東に比べてコスト差が20〜30倍になるともいわれる。日本の石化製品は中国をはじめとする輸出先のアジアからはじき出されるとともに、中東や中国の安価な輸入品が日本に流入してくる事態となった。足元の円安も、これまでの流れを変えるほどの要因にはなっていない。

1344とはずがたり:2014/01/28(火) 17:31:57
>>1343-1344

加えて、この先、日本の石化産業が直面する脅威が、米国の「シェール革命」だ。頁岩(けつがん)から取り出す天然ガスやオイルの開発が進み、これを原料にした大型のエチレンプラントが2016〜17年に相次いで始動する見込みとなっている。それだけで、日本勢の年産760万トン程度に匹敵するといわれる。「基本的に米国内でまかなうと言われているが、そんなことはないだろう」と、三菱化学の石塚社長は日本勢への影響を懸念する。

日本の石化産業は数年先、中東、中国と米国から間違いなく、「挟み撃ち」に遭う。コスト競争力を考えれば、単純な汎用品では太刀打ちできず、日本の石化産業は、ますます国際競争力の低下に陥ることが想定される。

こうした背景から、日本勢では三菱化学が昨年、鹿島事業所(茨城県神栖市)において、エチレンプラント2基のうち1基を2014年に止めると決断。住友化学は今年2月、千葉工場(千葉県市原市)におけるエチレン生産を15年9月までにやめ、事実上、エチレンの国内生産から手を引くことを表明している。

水島地区において三菱化学―旭化成連合が探っている戦略も、同様の流れに沿ったものだ。旭化成にとっては、石化事業のおおもととなるエチレンの自社単独生産をやめるという重大な決断になる。「思いはあるかもしれないが、経済原則で冷静に判断した」(旭化成ケミカルズの小林友二社長)うえで、今回の発表に至っている。国内生産から事実上撤退する住友化学と同様に、それだけ事態が深刻であることを示している。

「まだ150万トン余る」

一方で、国内で15基あるエチレンプラントのうち3基が停止しても、内需500万トンに対する生産能力は「まだ150万トン(程度)余る」(三菱化学の石塚社長)。ところが、これ以上の再編となると、ことはそう簡単ではない。

「たまたま水島で壁を隔てて同業の三菱(化学)さんがいたというのは幸運だった」と旭化成ケミカルズの小林友二社長は明かす。エチレンプラントを中核とする石化コンビナートは原料から「誘導品」と呼ばれる化学品に至る過程で、複数企業がそれぞれの工程を分担、連携して成り立っている。

コンビナートの参画企業や誘導品の構成は、それぞれにバラバラ。複数社のエチレン設備が並んで建つ水島や千葉、川崎といったコンビナートでなければ、集約もうまく進まないが、5基が隣接する千葉地区では、すでに共同運営している三井化学―出光興産が呼びかけた大連合に、住友化学や丸善石油化学などは参画しない方向だ。

結局のところは、大半が単独で生き残りを目指す“我慢勝負”に突入するという流れが避けられない。「日本でしかつくれない難しい誘導品、付加価値のある誘導品をつくれるかがポイント」(三菱化学の石塚社長)になるものの、そう簡単な話でもない。稼動率が一段と低下するエチレンプラントが出てくれば、ダウンサイジングや撤退などといった抜本的な改革や淘汰を迫られることは十分ありうる。ニッポンの石化産業は、明確な対処法を見付けられないまま、少しずつ危機へと向かっている。


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