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化学・薬品産業総合スレッド
1232
:
荷主研究者
:2013/09/01(日) 16:20:58
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2013/08/27-12624.html
2013年08月27日 化学工業日報
{連載 上下} 石化コンビナート 構造改革待ったなし
<上>「縮小の時代」が到来 大幅コスト削減が至上命題
日本の石油化学コンビナートでは、15基あるナフサクラッカー(エチレン設備)のうち3基が2016年までに停止することが決まり、規模縮小の時代がいよいよ現実となる。日本全体でみれば余剰設備の削減による構造改善の動きだ。しかし、当該コンビナートにとって設備停止・縮小は固定費を支えてきた大型製品の一角が崩れる一大事。他のコンビナートも他人事ではすまされない。大幅なコスト削減が至上命題となるコンビナートの対応策の実態をみる。(佐藤豊・但田洋平)
※働き方を見直す※
2014年5月のエチレン1号機(年産39万トン=非定修年)の停止に向け粛々と対応工事が進む三菱化学・鹿島事業所。植田章夫執行役員・鹿島事業所長は「戦艦大和を巡洋艦くらいに落とさないと」と、エチレン1基化で必要なコスト削減の規模感を示す。
鹿島ではもともと基礎原料供給のメインプラントだった1号機を停止して2号機に1基化する。これにともない、2号機の分解炉の増設や1号機からの配管の付け替え、貯蔵タンクの増設などで合計98億円の設備投資が必要となる。
一方、1基化にともなう固定費の削減効果は「現在のところ合計で数十億円単位。最大のアイテムは定期修理の減少分の約40億円で、このほか(オペレーター)の間接コストが60人分。ただ、タンクヤードのコストなど1号機が背負っていたその他の間接費の負担者がいなくなる」(植田所長)。
このため、「働き方、仕事の進め方まで含めて1人当たりの付加価値を見直す。ものづくりに必要な仕事とは何かを考え、コスト削減を絞り出していく」(同)。この一環として鹿島事業所では四日市事業所に続き「ダイセル式の生産革新手法を導入する」(同)など、人材育成に遡った生産現場力の底上げに取り組む考えだ。
※留分活用を追求※
神奈川県東部にある川崎、浮島の両地区にまたがるJX日鉱日石エネルギーの川崎製造所。燃料油の内需が漸減傾向にあるなか、「原油の付加価値最大化」をテーマに石油精製と石油化学の一体運営で収益を稼ぎ出そうと躍起だ。
原田耕治所長が勝ち残りの鍵と強調するのはクラッカー留分の最大限の活用。「マーケットや地域のオレフィンバランスが大きく変わるなか、原料バランスをいかに最適化できるか」の思案が続く。昨年夏の大規模定期修理で実施したガスタービンの改良工事もその1つで、メタンガスへ燃料転換することで従来のC4、C5留分を誘導品の原料に回せる体制を構築。「クラッカー原料も非ナフサ比率は30%超が可能で、時期に応じた燃料選択で収益拡大を目指す」(原田所長)。
※活動を見える化※
さらなるコストダウンを目指して、製品や地区ごとに分かれていた計器室を統合する方針。また、昨年には各部署に横串を刺すためのKX(川崎の未来)活動も開始した。計画保全や環境など7つの部会が業務効率や技術伝承を図るために相互交流や意見発表会を実施し、「バラバラになりがちな各部署の活動を『見える化』するための仕組み。良い手順書があれば皆で共有するなど地道な活動で、コスト削減につなげていきたい」(同)としている。
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