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化学・薬品産業総合スレッド

1167とはずがたり:2013/05/09(木) 16:06:26

資生堂、海外大型M&Aの重し
米ベア社を減損、始まった“負の遺産”解消
長瀧 菜摘 :東洋経済 記者 2013年05月01日
http://toyokeizai.net/articles/-/13845

日本、欧州、そして米国。先進国3地域を発信地として、それぞれが世界に通用する化粧品ブランドを確立する――。目指す理想像を前に、資生堂が煩悶している。

8期ぶりに最終赤字

資生堂は4月26日、前年度(2013年3月期)決算で、米国の子会社ベアエッセンシャル社ののれん(営業権)減損として、286億円の特別損失を計上。8期ぶりの最終赤字に陥った。

のれんとは、ある企業の買収価格が、その企業の純資産よりも多かった場合に発生する差額。買収される側の収益力やブランドイメージに対する評価の現れともいえ、原則として20年以内の各決算で、販売費や一般管理費の費用として組み込んで処理する。

減損損失とは資産価値の低下により、投資の回収が見込めなくなった場合に、その分を損失として計上して、その資産の帳簿価額を切り下げることを言う。のれんを減損するということは、買収による業績への貢献が当初見込んだより低く、今後の実績が当初の想定と乖離し続けることを防ぐ意味がある。

資生堂がベア社を完全子会社化したのは、今から3年前の10年3月。日本発の「SHISEIDO」ブランド、欧州発のフレグランス事業という2軸に加え、米国発の世界ブランドを獲得して、育成したいという思惑があった。しかし、今回、巨額ののれん減損を計上したように、資生堂にとってベア社の買収は、当初の目算が狂っている。

ベア社が得意とするのは、ミネラル100%で作られる「ベアミネラルファンデーション」などの、海や鉱石に含まれるミネラルを配合したメークアップ製品。当時は「無添加」「オーガニック」などの自然派化粧品が世界中で浸透し始めており、この分野が手薄だった資生堂にとっては、同買収でブランドのポートフォリオを補完する狙いがあった。

収益力の高さも、ベア社の大きな魅力だった。買収前に開示されている08年12月期の決算は、売上高5.56億ドル、営業利益1.75億ドル(営業利益率31%)。日本の化粧品・トイレタリー(日用品)メーカーの営業利益率が平均で5〜10%程度であることを踏まえると、その収益性の高さが際立つ。女性CEO自らが出演するテレビショッピングで認知度を高める一方、売上高の8割は百貨店をはじめとする小売り事業で稼ぐ。このビジネスモデルが軌道に乗り、順調に業容拡大を続けていた。

ベア社の業績、当初計画を下回る

ところが、買収後約3年間のベア社の業績は芳しくない。12年12月期の売上高は、6.2億ドル(前年同期比0.6%増)、営業利益は0.93億ドル(同22.5%減)で、本拠地の米国を中心に当初の計画を大きく下回っている。海外への投資を加速している影響もあるが、30%を超えていた営業利益率も、直近で15%まで低下している。

本拠地の米国で不振に陥った原因のひとつは、広告宣伝での路線変更だ。のびしろの大きいとみた百貨店や化粧品専門店での売り上げ拡大に向け、従来のテレビショッピングやインフォマーシャルからテレビCMへと投資の比重を移したが、ブランドイメージの定着が進む一方、製品の具体的な機能や特徴が伝わりにくくなり、店頭販売の拡大につながっていない。ミネラル化粧品への参入企業が増えていることも逆風になり、米国市場でのプレゼンスを落としている。


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