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選挙結果予想スレ

492とはずがたり(3/3):2003/11/30(日) 19:08

 彼によれば、左翼には二つの「政治体質」がみられるという。一つは、自分が望むものをすべて得られないのなら、すべてをぶち壊すという「政治体質」である(最大限綱領主義)。もう一つは、自分はより多くを望んでいるが、しかし最終的には現状で得られるもので満足する、自分の目標や期待からすればわずかなものかもしれないが、わずかでもゼロよりはましだ、と考えるような「政治体質」である(改良主義)。

 具体的には、再建党が、自らの要求している「賃金の物価スライド制」の復活を実現できなくても、中道左派政権を倒すのではなく、有効性はより少ないにしても、勤労者の購買力を守る他の形態を受け入れるという行動を選択できるかどうかが問題であった。

 実際には、再建党はまさにそのような行動を選択することによって、プローディ中道左派政権を最近まで支えてきた。

 ところが、一年五か月を経た最近になって、年金の引き下げに反対して九八年度予算案に反対投票することを宣言して、一〇月九日にはプローディ首相を辞職に追い込むという行動に出た。より大幅な引き下げを主張している右派に政権を与えることになる危険を冒してでも自らの主張に固執するという意味で、まさに「最大限綱領主義」の復活である。

 しかし、当然ながら、かなりの成果を上げてきた中道左派政権を倒し、可能性がみえてきたヨーロッパ通貨統合への参加を絶望的にするような唐突な行動に対して、党内や支持者からも批判が続出したこともあって、翌一〇月一〇日には突如、今度はあらたな政策協定を前提にしてプローディ中道左派政権を再び支持する用意があるという意思を表明した。問題の予算案には以前として反対を変えていないので妥協が成立するかどうかは分からないが、あきらかに「改良主義」への揺り戻しである。

 このイタリアの共産主義再建党の事例は、共産主義政党が最大限綱領主義の悪癖から苦しみながら脱却していく過程をリアルタイムでみせてくれている。もちろん、その成否は、中道左派の他の政党の的確な妥協能力にもかかっているわけであるが(その後、再建党は週三五時間労働制の採用を条件に予算案を受け入れ、内閣信任案に賛成投票した)。

 いずれにしても、日本の共産党が「普通の政党」になり、「政権をになう政党」になろうとするならば、まさにこのような苦しい自己改革の過程を避けることはできないということが以上から理解されるであろう。これこそが、共産主義政党が「普通の政党」になるうえで克服しなければならない共通のハードルなのである。

     変化の可能性はあるのか

 「二十一世紀の早い時期に、政治革新の目標で一致する政党、団体、個人との連合で、民主連合政府を実現する」と「大会決議」は述べている。しかし、すでに指摘したような「最大限綱領主義」的な精神態度を続ける限り、具体的な連合相手は得られないまま、日本政治は共産党が予想しなかった新しい課題にも取り組みながら共産党の想定する方向とは異なった展開をみせ、共産党は七〇年代に続いて再び民主連合政府の期限を先延ばしにすることにならざるをえないであろう。

 それとも、あえて他の政党と同じ「泥のなか」に入りながら共に一歩でも前進しようとする「普通の政党」の道を選ぶのか。

最近は、京都の城陽市長選での「保守・無党派」との共闘など、地方自治体レベルではそのような動きも出ているようだ。では、国政レベルでの政党間連合はなぜできないのか。共産党の「政治体質」の変化に注目したい。


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