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繊維スレッド

41荷主研究者:2004/05/01(土) 04:23

【繊維変貌(上)衣料より産業資材】2003年10月27日 日経産業新聞 17面
繊維変貌(上) 衣料より産業資材 「炭素」巡り 東レなど火花

大手繊維メーカーの事業内容が大きく変貌している。産業用繊維や樹脂などが主力となり、衣料用も高機能路線へのシフトが急速に進む。老舗のカネボウが中核の化粧品事業を切り離し繊維部門の一層のリストラを迫られるなど縮小が続く繊維産業だが、一方で大手の生き残りへの道筋も見え始めた。

「スペックインを勝ち取れ」。自動車用エアバック向けナイロン大手の東レと東洋紡が、トップの号令以下しのぎを削っている。

▽日本勢が先行

安全部品のエアバックは今後、1台当たり使用量の増加や小型車への普及が見込まれる。同ナイロンの世界需要も2002年度の約7万トンから2005年ごろには10万トンに増える見通し。主要車種の仕様(スペック)に採用されれば、次のモデルチェンジまで長期の需要が確保できる。

しかも品質や信頼性などは日本メーカーが先行し、「韓国や台湾メーカーが参入してくるのは3、4年以上先」(丸山和博東レ取締役)。現在の年間生産能力は東レが7,500トン、東洋紡が5,500トン。タイなど海外での生地加工も進めており、2005年に自動車の年間生産台数が500万−600万台に伸びるとされる中国でも原糸の生産まで乗り出すことを検討しているという。

繊維大手各社は今、衣料品向けではなく、新市場である産業資材向け繊維に最も力点を置いている。車用でもエアバックのほか、東洋紡や旭化成がタイヤコード、帝人はシートベルトなどを拡大している。

建設・土木資材の開発も進む。東洋紡の高強力繊維「ザイロン」や帝人のアラミド繊維などは光ファイバー向けや石綿代替として使われ、ビルや橋梁補強材としての拡大も見込む。「帝人にとって重要な成長事業」と帝人テクノプロダクツの唐沢佳長社長は自信を見せる。

産業資材の成長の柱と期待されるのが、東レ、帝人グループの東邦テナックス、三菱レイヨンの日本3社で世界市場の約7割を占める「日の丸繊維」、炭素繊維だ。炭素繊維はアルミなどに比べ重量が約半分、強度は2、3倍高いのが特徴。これまでは釣ざおやゴルフクラブのシャフトといったスポーツ用途などが主だったが、航空機や自動車の部材として追い風が吹いている。

欧州エアバスが2006年に就航予定の収容555席と世界最大の旅客機「A380」。東レはその需要をにらみ、2004年8月からフランスで炭素繊維を約3割増産する。他の2社も生産増強に動く見通し。現在の主翼や尾翼の一部から、骨材や胴体など大型部品への利用が今後進み、「航空機向けは2倍以上に拡大する」と業界幹部は強気だ。

自動車向けも、東レは炭素繊維の内部に樹脂を注入した複合材料を開発、プロペラシャフトなどを日産自動車などに納入を開始した。東邦テナックスも社内に検討チームを設け、車向け素材ではまだ割高な炭素繊維の生産コスト削減に取り組む。

▽合繊撤退相次ぐ

炭素繊維の世界需要は約1万8千トン。今後年6−10%ずつ増加する見通しだ。繊維の中で日本メーカーが主導権を握っている数少ない有望素材だけに、「炭素繊維事業では負けるわけにいかない」(東レの榊原定征社長)と3社が火花を散らす。

衰退産業といわれて久しい繊維は最近も、衣料用の長期低迷を背景に、帝人のナイロン撤退・ポリエステル縮小、旭化成のアクリル撤退など合繊メーカーのリストラが相次いでいる。花王との化粧品事業統合を決めたカネボウは、アクリル事業の撤退に伴う除却損などで2003年9月中間期に約630億円の債務超過になる見通し。合成繊維だけでなく綿加工や紡績など天然繊維事業のリストラも本格化し、不採算事業からの撤退を検討する。

「独自品に特化して利益を出せる体制にしていくしかない」と合繊子会社、カネボウ合繊の菊池香一副社長は淡々と語る。だがこれに対しある繊維大手幹部は「さらに撤退が進めばカネボウの繊維事業に存在意義はない」と言い放つ。

往年の繊維大国の技術蓄積などを生かすすべはないのか。大手各社の産業繊維への傾斜は、カネボウなどの事例を教訓とした、生き残りへ向けた解答でもある。

▼炭素繊維の出荷額とシェア
国内出荷額 460億2000万円
東レ 60%
三菱レイヨン 27%
東邦テナックス 13%
(PAN系、2002年度。数字は日経推定)


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