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応用栄養学特論

1978とはずがたり:2018/05/30(水) 20:24:33
>>1976
●サラダが女性にウケた

 低価格化と反日デモによる認知度向上に加え、もう1つ中国でサイゼリヤが若者や女性に支持されるようになった要因がある。それは、健康志向の広がりでサラダが支持されたことだ。

…現在でも中国の店舗では日本と比べ、サラダの出数は多いという。

●海外法人は慢性的な赤字体質

 このような努力で来店客数は伸び続けたが、益岡氏が現在の役職である取締役海外事業本部長に就任した09年4月当初、海外法人は慢性的な赤字体質から脱却できていなかった。

 赤字の最大の原因は大規模な店舗が多く、固定費の割合が高かったことだ。中国では客席が200〜300席という飲食店が多かったため、現地のサイゼリヤも同じ規模の店舗設計にしていたが、ここに大きな問題があった。

 「大規模店が仮に1日に1000人のお客さまを受け入れられるとしましょう。ピーク時に作業が集中するため大量の店員が必要となるので、人件費もかかりますし、店員をマネジメントする店長の負担も増加します。また、満席時に料理を提供するまで時間がかかってしまい、お客さまの満足度が低下します」

 解決策は明らかだった。1店舗あたりの席数を日本と同じ120〜130席程度にして、日本と同じ標準化された作業内容を徹底することだ。簡単にいうと1000人のお客に対応できるがもうからない大型店ではなく、500人のお客に対応できてもうかる店が2つあったほうがよいということだ。

 現地の日本人幹部や益岡部長はこの方針を現地社員に納得させる必要があった。現地社員は「ほかのお店は大規模店でうまくいっている」「お客さまがたくさん来るのだから、店を広くして何が悪いのか」「日本と同じ方法でうまくいくのか」となかなか納得しなかった。

●現地社員を粘り強く説得した

 ここで日本のやり方を押し付けてもうまくいかない。益岡部長は粘り強く説得を重ねた。飲み会も幾度となく開催したという。

 話し合いの結果「じゃあ、1店舗だけ試しにやってみよう」という結論に落ち着いた。実際に日本と同じ席数の店舗を出店したところ、混雑時でもそれほど忙しくなく、利益体質の店舗になり、店長の人事管理の負担が減ることもわかった。大型店よりお客は収容できないが、繁盛する店の近くに別の店舗を出せば問題ないことも現地社員に伝わったという。この成功体験を他店に応用することで中国での業績は次第に上向いていった。

 益岡部長が行ったもう1つの改革がメニューの現地化だ。それまで商品設計を行う現地の担当者は「日本の味や具材を変えてはいけない」と思い込んでいた。益岡氏が「日本のパスタだって、本場イタリアと同じではなく、日本人の舌にあうように改良している」と伝えたところ、ペペロンチーノに具を加えたり、たらこスパゲティーのソースの量を増やしたりといった提案が現地社員から出されるようになった。こうして、商品力も向上していった。

●店長時代にかいた汗

 益岡部長が主導した一連の改革が成功した要因は、現地社員とのコミュニケーションを大切にしたことだ。相手の立場も尊重しながら、自分の伝えたいことを理解してもらう姿勢が培われたのは、サイゼリヤの店長時代だと本人は分析する。

 益岡部長はサイゼリヤの創業間もないころから学生アルバイトとして働き、25歳で初めて店長になった。それから新店の店長を何度も任されてきた。当時の苦労をこう振り返る。

 「縁もゆかりもないエリアに出店しても、宣伝するお金もなかったのでお店の認知度が低く、来店数が増えませんでした。いくら『安くておいしいですよ』と言っても、よそ者は信用されません。地域の人たちに信頼されるためにさまざまな工夫をしました。… 中国の現地社員にとって、私は『日本から来たよそ者』です。益岡という人となりを知ってもらうために、信頼関係を大切にしたことがよかったのかもしれません」

 …益岡部長はサイゼリヤ一筋の「たたき上げ」役員で、もうすぐ60歳になる。店長時代にかいた汗が、現地社員を説得する言葉に力を持たせたのだろう。

 中国事業における目標は、約370店ある店舗数をマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンのような数千店規模にまで増やすことだ。… 日本発のイタリア料理チェーンが中国市場を席巻する日がくるために、もう1つ上の奮闘を期待したい。


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