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応用栄養学特論

1409チバQ:2015/02/27(金) 23:38:10
● 「テーマパーク化は街を滅ぼす」 と地元は危機感を募らす

 横浜中華街には、1972年に発足した「横浜中華街発展協同組合」がある。横浜中華街を観光地として、また、一大料理店街として発展させようとする機運の中で、この組合が誕生した。

 それから40年が経った今、横浜中華街はこうした変化のただなかにある。果たして、横浜中華街はどこに向かって「発展」しようとしているのだろうか。理事長の李宏道さんに話を伺った。

 「中華街は少なくともテーマパークではありません。テーマパーク化したら街は滅んでしまう。横浜中華街は先輩たちが築いた伝統を守って継承し、中華文化を発信し続ける場所であるべきなんです」

 伝統を発信してこその差別化、それこそが生き残り策だというわけだ。そのための取り組みはすでに始まっている。李さんは開口一番、「ルール」という言葉を強調した。

 「組合員を対象に『ルールを守る』を徹底しています。まずは日本の国のルールを守った上で商売できるか、です。当然、路上の看板や強引な客引きは取り締まりの対象ですよ」

 民族の伝統は守っても、日本の法律やルールは遵守するという姿勢を明確に打ち出す。組合では「中華街憲章」を制定し、街の美化や治安維持など街づくりの目標を掲げる一方、組合員に対しても教育の機会を与えている。それらは料理の研究に始まり、集客の仕方、保健衛生の指導など多岐にわたる。また、中華街の伝統を維持するためには、中華街の中への出店にスクリーニングをかけることも必要だ。

 「ここでは住宅は建てられません。私たちは春節以外にも年間通じてイベントを組んでいるんですが、民族パレードや獅子舞、龍舞に爆竹、太鼓はつきものですよね。住人のご迷惑を考えれば住宅建設は無理です。うるさがられてしまっては逆に伝統も維持できませんから」

 とはいえ、伝統文化の維持は日本文化を受容した上で行われていることは、爆竹が安全や美化に配慮する形で、鉄製の箱の中で鳴り響いていたことからも伺える。

 組合は横浜中華街の案内人を養成する「コンシェルジュ」制度も設けている。正しい中華文化を発信しようと、2000年にその構想が生まれた。横浜中華街で何らかの仕事に就いていれば受験資格が与えられ、講習を受け試験にパスすると金色のバッジをもらえる。

 10年にわたって横浜中華街で働いてきた日本人、齋木真二さんもこのコンシェルジュ資格を持つひとりだ。胸には金色のバッジが輝く。その齋木さんが「中華街の伝統」をこう語ってくれた。

 「温故知新という言葉がありますが、まさに横浜中華街は温故知新の街。古いものと新しいものがうまく共存しているんですよ」

 「一度行けばもう十分」なのか、それとも「また行きたい」につながるのか。あるいは、マスに迎合する街になるのか、はたまた「ニッチ」を極める街になるのか。横浜中華街の選択は、日本全国の観光地の選択にも重なる。

 生活空間から商業空間へ、老華僑から新華僑へと変化を遂げるなかで、横浜中華街は今後、「発展」という言葉にどのような期待を込めるのだろうか。

姫田小夏


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