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Tohazugatali Economic Review

501とはずがたり:2004/05/11(火) 15:16
【『地方財政の政治経済学』第3章「国庫支出金分配と政権与党の関係」】
『地方財政の政治経済学』土居丈朗 東洋経済新報社 2000年
第3章 「国庫支出金分配と政権与党の関係」

1970年代に行われた都市部向け国庫支出金が1980年代の所謂「保守回帰」を生んだとも云われている。
(都市部への分配シェア:60's後半:27.5%→70's前半:30.7%→70's後半:32.4%)
衆院選挙に於ける与党得票率は60〜70年代までは長期低落傾向にあったが,76年を境に上昇している。

戦後日本の補助金政策については,政治学・行政学では「保守合同以降,中央政府から地方への(特定)補助金は自民党の長期政権と不即不離である」という声が圧倒的に強い。
広瀬道貞(1993)『補助金と政権党』朝日新聞‥補助金を組織強化・票固めに巧みに結びつけた
Calder(1988)‥補助金膨張期と自民党の劣勢期が一致
宮本(1990)
佐藤・松崎(1986)‥補助金分配は自民党の政権維持と直接関係ない

同書では計量経済学の手法を使って分析する。

福地・康(1981)「季刊 理論経済学」
小林良彰(1986)『政治過程の計量分析』芦書房
吉野・吉田(1988)「EPS」6月号
堀(1988) 能勢・河瀬『地方財政政策の数量分析』多賀出版
公共事業のデータを利用

同書では補助金一般

仮説1 与党議員が補助金分配に影響を与えた
仮説2 補助金の分配が与党議員の得票に影響を与えた
仮説3 与党の政権維持の危機が補助金分配に影響を与えた
仮説4 投票者は補助金に関わる政策に基づいて投票した

検定の結果仮説1と仮説3は支持されるが,仮説2と4は支持されなかった。
詰まり補助金に関して政治が経済に影響を及ぼす面は見いだされたが,経済が政治に影響を与えるという面は見いだせなかった。

Ramseyer and Rosenbluth (1993) 官僚と党のprincipal-agent問題での分析

PBC
Ito and Park (1988)
Ito (1990)
土居(1998)

仮説4に関して日本の投票者は概ね経済政策に基づいて投票している。

一般に云われる農業従事者を支持基盤とする自民党という表現は第一次産業の県内総生産に占める比率の係数が1983年以外に有意に利かなかったためこの通説は利かなかった。(※第一次産業「従事者」にしないと意味が無いであろう。投票者は農民ら人単位であって,彼らは補助金で守られていて生産性が低い,即ち総生産シェアと異なり人的シェアは高いかもしれない)

65歳以上人口比率は或る程度高い。

有効求人倍率はいずれも有意であり頑強。


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