したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

Tohazugatali Economic Review

2108とはずがたり:2024/03/03(日) 21:57:41


2016-09-22
コンビニ人間の経済学
https://himaginary.hatenablog.com/entry/20160922/Baumol_vs_Roy

Dietz Vollrathが、サービス部門というのは生産性はそれほど低くないかもしれない、という考察を導き出したAlwyn Youngの2014年のAER論文(WP)を紹介している。

エントリの冒頭でVollrathは、一般にサービス部門の低成長性はボーモルの病で説明される、という点を指摘している。それによると、サービス部門は本質的に製造業に比べ生産性が低いが(∵サービスは時間単価で提供されることが多いが、1時間のサービスは1時間未満では提供できない)、所得弾力性は高いため(=皆が豊かになるとサービス部門への需要は増える)、時間の経過と共にサービス部門の従業者が増え、経済全体の生産性が低下する。それに対しYoungは、サービス部門の従業者が増えると人員の平均的な質が下がるためにサービス部門の生産性が低下するのではないか、というある意味においてボーモルの病を引っ繰り返した仮説を提示しているとのことである。




このYoungの研究についてVollrathは以下の点を指摘している。

ロイ効果の時系列的変化を示していないため、90年代のように全体の生産性成長率が高かった時期と2010年代のように低かった時期で同効果がどのように違うかが分からない。
ロイ効果では全体の生産性成長率の減速は説明できない。ロイ効果を調整した場合、EUでは真の生産性成長率が高くなり、米国では低くなる。ロイ効果で説明できるのは、減速がボーモルの病のせいではない、ということに限られる。ただ、それでも重要な貢献である。
この話を20世紀初頭の農業と製造業に当てはめた場合、縮小しつつあった農業の生産性成長率は過大評価され、拡大しつつあった製造業の生産性成長率は過小評価されていたことになる。すると、20世紀半ばの生産性成長率は高かった、というロバート・ゴードンの説はもっと極端なものになるのかもしれない。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板