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Tohazugatali Economic Review
2098
:
とはずがたり
:2021/09/17(金) 01:06:01
>>2097
円安で輸出企業の利益が増加する。それは、賃金の対外購買力が減少するからだ。
このメカニズムは見えにくいので、日本では革新勢力も含めて円安を求めてきた。そして、技術革新への真摯な努力がされなかった。
この結果、日本円の購買力は1995年頃の半分となり、70年代前半の水準に逆戻りしてしまった。
● 日本円の購買力は大幅低下 円安は成長阻害要因という「真実」
「実質実効為替レート指数」という概念がある。これは日本人が外国でどの程度のものを買えるかを示す指標だ(指数の詳しい説明は後述)。
この値は1995年頃から低下を続けていたが、最近時点の値は70年代前半と同程度になってしまった。
70年代前半は固定為替レートの時代で、1ドル=360円。私はこの時代に学生としてアメリカにいたが、貧乏生活を強いられた。その時代に逆戻りとは信じられないことだ。
この現実は筆者だけでなくすべての日本人にとって大きなショックだろう。なぜこんなことが起きたのか?
日本は深刻な病に侵されているのではないか?
これを考えるために、まず、ドル表示での1人当たりGDPの推移を見てみよう(図表1)。
日本の値は90年代の中頃までは増加したが、それ以降は横ばいになってしまった。他方で、他の国は成長した。
2010年に対する20年の値の比を見ると、図表2のとおり、日本だけが低下している。
こうなるのは2つの理由がある。
第1は、円で評価した1人当たりGDPが顕著には成長しなかったことだ。いま一つは、為替レートが円安になったことだ。
● 政治は円安を求める 民主党もアベノミクスも円安政策
為替レートの決定メカニズムは複雑だ。しかも日本の政策だけで円安になるわけではない。
しかし、日本の政治に円安を求めるバイアスがあることは間違いない。
円高になると、「日本の危機だ」と言われ円安を求める強い圧力が生じる。
例えば金融危機が起きた1990年代後半からから2000年頃にかけても、そうした圧力が高まった。そして、2000年代初めに大規模な介入政策が実行された。
また、10年頃にも円高が進行し、民主党政権は円安政策を取った(ただし、成功しなかった)。
13年からのアベノミックスでは顕著な円安政策が取られた。
このように、政治は自民党、民主党にかかわらず、円安を求めてきた。では、なぜ円安を求めるのか?
円安になれば、輸出企業の利益が増えるからだ。そして株価が上がる。この相関関係は統計的にも明らかに見られる。
企業の利益が増えることも株価が上昇することも、人々に歓迎される。したがって、経済政策は円安を求めることになる。
● 利益を増やし株価を上げる 「心地よい円安」のメカニズム
では、円安になるとなぜ企業の利益が増えるのか?つぎのような簡単な数値例で説明しよう。
いま、日本国内で300万円に評価される自動車を作っているとする。これに要する人件費(賃金)が100万円だとする。そして、企業の利益は300万円の1割である30万円だとする。
為替レートが1ドル=100円だとすると、この車をアメリカに輸出すれば、3万ドルで売れる。日本企業の利益は3000ドルだ。
ここで、何らかの理由によって、つぎの年の為替レートが1ドル=110円になったとしよう。
アメリカでの販売価格3万ドルは不変だが、日本での受け取りは330万円になる。そして企業の利益はその1割である33万円になる。企業の利益が増加するので株価が上がる。
円安になるだけで、何も努力せずにこうしたことが起きるので、「心地よい円安」と言われる。円高になれば、これと逆のことが起きる。
● 「魔法のトリック」は、 労働者の対外購買力の低下
以上は、一見したところ魔法のように見える。
しかしここには「トリック」があるのだ。それは、労働者の賃金が100万円のままで変らないことだ。
これがトリックなのは、労働者がアメリカで買えるものは減るからだ。1ドル=100円のときには、100万円の賃金で1万ドルのものを買える。しかし1ドル=110円になれば9091ドルのものしか買えなくなる。
つまり、ドルで評価した労働者の賃金が安くなるのだ。
国際的な観点から見れば、賃下げが行なわれたことになる。しかし、それは日本の国内では、なかなか気づかれない。
企業が賃上げをすれば、労働者の対外購買力が減った分を補填できるが、企業の利益は減る。労働者は対外購買力が減ったことに気づかないので、もちろん企業は賃上げをしない。
円安で企業利益が増えるのは、魔法ではなく、気づかれにくい形で「賃金カット」ができるからだ。
つまり、労働者の負担によって企業利益が増えるのだ。
本来は労働者の味方であるはずの民主党までが円安を求めたことを見ても、以上のメカニズムがいかに気づかれにくいものであるかが分かる。
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