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Tohazugatali Economic Review
2027
:
とはずがたり
:2019/12/22(日) 17:57:16
>>2026-2027
例えば卸売業・小売業の分野では、従業員が10人未満の事業所数のシェアはアメリカでは50%程度であるのに対して、日本では80%程度とかなり高い状況にあります。
※各国の中小企業の定義は、従業員数や売上高、総資産でも違いがあり、厳密には一律に比較できない。例えば、従業員数で判断すれば、アメリカの中小企業は500人以下、ドイツは500人未満、イギリスは250人以下、日本は製造業・建設業が300人以下、卸売業・サービス業が100人以下、小売業は50人以下となる。
そのうえ、日本では中小企業が支える雇用の比率が一貫して70%前後で推移しているのに対して、アメリカでは50%前後、ドイツやイギリスでは60%前後と日本より低い状況にあります。そのために、日本の中小企業はアメリカの中小企業と同じ付加価値を生み出すために、2倍以上の従業員を雇っている計算になっています。
現実に、卸売業・小売業・サービス業で従業員が5人以下、あるいは製造業・建設業・運輸業などで従業員が20人以下の小規模企業(中小企業の中の分類)は企業全体の90%近くを占めていて、雇用全体の25%を担っているのです。中小企業または小規模企業は平均的に生産性が低く、日本全体の労働生産性の水準を大幅に引き下げているというわけです。
賢明な政治家や専門家たちであれば、日本は労働生産性を高めようと、さまざまな対応策を考えていくと同時に、以上のような日本の抱える問題点を踏まえたうえで、本質的かつ慎重な議論をしなければなりません。
日本経済にとってグローバルに活躍する企業が増えるのが好ましいという前提では、労働生産性を必ずしも大幅に引き上げる必要性はなくなってくるからです。現時点では日本とアメリカの労働生産性は30%超の開きがありますが、今後の日本企業による海外進出の増加を加味すれば、およそ半分の15%程度の差に縮めるだけでも経済の底上げは十分にできるのではないかと考えている次第です。
ただし、アメリカとの差をおよそ半分の15%程度に縮小するだけでも、どうしても避けて通ることができない道があります。日本の非製造業に属する中小企業が、アメリカの中小企業に比べて圧倒的に生産性で劣っていることを考えれば、中小企業の中でも小規模企業を今の半分に淘汰しなければならないということです。
地方ほど小規模企業の割合が大きいので、小規模企業の大幅な削減は地方の疲弊に結びついていくことが避けられません。たとえ経済全体で合理化を進めるためとはいえ、今の安全網がない状況下において、多くの小規模企業をドラスティックに淘汰してしまっていいのでしょうか。
非常に心配しているのは、多くの経済の専門家たちが労働生産性の国際比較では日本の生産性が著しく低めに出るという要因をあまり考慮することなく、生産性の向上そのものが最も大事であると大合唱しているところです。その考え方の中には、中小企業の大半を潰した先の視点が含まれていないからです。
中小企業の思い切った淘汰を進めるためには、それによって失われる雇用が容易にほかの産業に移動できるようにしておかなければなりません。すなわち、雇用の受け皿となる新しい産業がいくつもつくり出されていなければならないのです。それは、労働市場の流動性を高める以前にどうしてもやっておかなければならないことです。…
解決策の「成長産業育成」はそぶりだけだった日本
だからこそ、2019年4月4日の記事「令和の時代に国民が豊かになるたった1つの方法」で申し上げたように、これからの日本は新しい成長産業の育成に力を入れていくことが必要不可欠であるのです。
そこで政府が成長戦略として実行しなければならないのは、生産性の低い産業・企業を金融緩和や補助金によって延命させることではなく、そういった産業・企業で働いている人々のために新しい雇用を生み出すこと、換言すれば、生産性の高い成長産業をつくり出すということです。
当然のことながら新しい成長産業には、工場の海外移転や自動化が進む製造業や、AIやRPAの導入で人員削減が進む業界、賃金が低いサービス業などからの雇用の受け皿にもなってもらいます。
こんな簡単なことはわかっているはずなのに、なぜ政府がこれまで成長戦略を推し進めることができなかったのかというと、その成果が目に見える形で表れてくるまでには、普通に考えて10年単位の時間を要することになるからです。政治にとって何よりも優先されるのは、成果が出るのがずっと先の政策ではなくて、目先の選挙で投票してもらえる政策を実行するということです。
ですから、政府は目先の景気を何とかよくしようとして、バラマキ的な支出を繰り返してきたというわけです。したがって、政府は成長戦略を実行するそぶりは見せるものの、結局のところ、日本の将来を考えて真剣に取り組もうとはしてこなかったのです。今、本物の政治が求められています。
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