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Tohazugatali Economic Review

2003とはずがたり:2019/10/15(火) 10:31:54

2019.8.6
アベノミクスの6年間で、日本と中国の格差はさらに拡大した
先端分野では、もはや及ぶべくもなく…
野口 悠紀雄
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問
一橋大学名誉教授
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66244

多くの人が、アベノミクスの6年間で日本経済は順調に成長したと思っている。確かに、企業利益が増加し、株価は上昇した。

日本のGDP(国内総生産)がこの間に増大したことは事実である。名目では2012年の495兆円から2017年の547兆円へと10.4%増加した。実質では、495兆円から532兆円へと7.4%の増加だった。

しかし、ドルベースで見ると、円安が進行したため、6.2兆ドルから4.9兆ドと21.5%も減少したのだ。

一方、世界の多くの国が、この間に日本を超えるスピードで成長した。

アメリカの名目GDPは、16.2兆ドルから20.4兆ドルへと20.0%増加した。この結果、日本のGDPとの比率は、2.6倍から4倍にまで拡大した。

さらにショックなのは、中国との関係だ。中国のドルベースGDPは、8.6兆ドルから12.0兆ドルへと40.2%も増加した。日本のGDPとの比率は、1.4倍から2.5倍に開いたのだ。

中国は、GDPの規模で大きくなっただけでない。

経済の中身が質的に進歩した。とりわけ、IT分野における進歩が目覚ましい。

新しいサービスが次々と誕生し、それが市民生活に浸透して、中国社会を変えたのである。

ここで強調したいのは、こうした変化の多くが、日本でアベノミクスが行なわれている期間に起きたという事実だ。

例えば、IT大手企業のアリババ(Alibaba、阿里巴巴)だ。同社がニューヨーク証券取引所に上場したのは、2014年のことである。

現在のアリババの時価総額は4384億ドルだ(2019年7月)。これは、世界第7位であり、日本で最大のトヨタ自動車の時価総額1756億ドル(世界第46位)の2.5倍である。

中国のIT産業を牽引しているのは、バイドゥ(Baidu、百度)、アリババ、テンセント(Tencent、騰訊)だ。これら3社は、頭文字をとって、「BAT」と呼ばれる。バイドゥは検索とAI技術、アリババはEコマース、テンセントはソーシャル・ネットワーキング・サービスのサービスを、それぞれ提供している(なお、テンセントの時価総額は、4371億ドル)。

フィンテック(金融部門におけるITの活用)の分野で、この数年間のうちに中国企業が急成長した。

では、アベノミクスの期間、日本は何をやったのか? 何の意味もない金融緩和政策だ。構造改革や規制緩和がかけ声ではいわれたが、新しい産業が登場したわけではい。

むしろ、これまで日本の主力産業であった分野での企業の衰退・劣化が目立つ。

「日の丸半導体」企業であるルネサス エレクトロニクスは、2019年5月に、国内外の13工場で長期生産停止に踏み切った。グループ従業員の5%に当たる1000人近くの希望退職を募っている。フラッシュメモリーを手掛ける東芝子会社の東芝メモリも、米投資ファンドを中心とする日米韓連合の傘下となった

それに続いて、「日の丸液晶プロジェクト」であるジャパンディスプレイ(JDI)が危機的な状態になった。1000名規模の早期希望退職者の募集や、役員報酬と管理職の賞与減額などを予定している。いったんは台湾のパネルメーカーや中国の投資ファンドなどで構成される台中3社連合から金融支援を受けることで合意したのだが、先行きは不透明だ。


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